皮が緑色のジャガイモは食べられる?芽が出たときの対処法も解説
時間が経ったジャガイモを使おうとしたら、皮が緑色になっていたり、芽が出ていたりしたことはありませんか?
実は、ジャガイモの緑色になった皮には食中毒を引き起こすおそれのある成分が含まれており、注意が必要です。
この記事では、皮が緑色になったジャガイモの対処法や、皮が緑色になってしまう理由、安全な調理法、保存方法について、管理栄養士の清水加奈子さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、国際中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
目次
トライアルでの販売価格
ジャガイモ(1袋)…本体価格258円(税込278円)
※2025年10月 メガセンタートライアル八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
皮が緑色になったジャガイモは食べられる?

皮が緑色になったジャガイモは、基本的には食べないほうが安全です。
なぜなら、皮が緑色になった部分には「ソラニン」や「チャコニン」といった有害物質が増えている可能性があるからです。
ソラニンとチャコニンは「ステロイド系アルカロイド配糖体」と呼ばれる天然毒素(弱毒)で、ジャガイモの皮や芽の部分に多く含まれます。
なお、緑がかっていないジャガイモでも、光にさらされることで、これらの成分が増加すると報告されています。
もし、どうしても使いたい場合は、緑色の部分を厚めに剥き、芽が出ていれば根元から深く取り除くとよいでしょう。
それでも不安な場合は、もったいなくても食べずに処分することをおすすめします。
特に、新じゃがは皮が薄くて水分が多いため、緑化しやすい傾向があります。
新じゃがを皮ごと調理するレシピも多いですが、皮やその周辺に有害物質が増えているおそれがあるため注意が必要です。
皮が緑色になったジャガイモを食べるとどうなる?

皮が緑色になったジャガイモをうっかり食べてしまうと、体にさまざまな不調が現れることがあります。
これは、前述したソラニンやチャコニンといった天然毒素が原因です。
これらの成分は、体内に入ると食後2~12時間で神経系に影響を与え、食中毒のような症状を引き起こすことがあります。
主な症状は下記のとおりです。
皮が緑色になったジャガイモを食べると起こるおそれがある不調
- 頭痛
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 口のしびれ
ひどい場合には、中枢神経の麻痺や昏睡状態に陥るケースも報告されており、特に子どもや高齢者は注意が必要です。
さらに、緑色になっていないジャガイモでも、保存期間の長期化につれて身の部分に微量ながら有害物質が蓄積されるため、保存期間が長いものは使用を避けるのが無難です。
苦味やえぐみ、ピリピリとした舌のしびれを感じたら、それはソラニンやチャコニンの影響かもしれません。
ひとくち食べて違和感があったら、思い切って捨てるほうが安全です。
ジャガイモの皮が緑色になる理由

ジャガイモの皮が緑色に変色するのは、光に当たることで、皮の部分にクロロフィル(葉緑素)が生成されるためです。
ジャガイモの表面に現れる緑色はクロロフィルの色であり、クロロフィル自体は無害です。
しかし、「ジャガイモの表面が緑色になる=光に当たった証拠」であり、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が多く蓄積されているという合図になります。
そのため、皮が緑色に変色したジャガイモは、毒素増加のサインと捉えて注意が必要です。
スーパーなどで販売されているジャガイモは、店頭の蛍光灯によって少しずつ有害物質が増えていることがあるため、購入時にも気をつけましょう。
芽が出たジャガイモも食べて大丈夫?

芽が出たジャガイモも、正しく処理すれば食べることは可能です。
ただし、処理の方法を間違えると、体に害を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
ジャガイモの芽の部分には、皮が緑色になるのと同様に、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が高濃度で含まれています。
特に、芽の根元や皮の周辺には多く蓄積されるため、しっかりと深く取り除いてください。
芽が大きく伸びている、皮が全体的に緑色に変わっている場合は、毒素が中まで浸透している可能性が高いため、もったいないですが廃棄するのが望ましいでしょう。
食中毒を防ぐジャガイモの調理方法

ジャガイモを調理する際は、皮・芽・緑色の部分をしっかり取り除くことが重要です。
ジャガイモを丸ごと使用するレシピもありますが、皮や芽の部分にはソラニンやチャコニンが多く含まれているため、長く保存していたジャガイモは皮を剥いて調理するのがベター。
調理法としておすすめなのは「茹で」または「蒸し」です。
特に皮ごとジャガイモを茹でた後に皮をつるんと剥く方法なら、皮の周囲の身ごとしっかりと除去できるので安心。
一方、電子レンジでの加熱には注意が必要です。
手軽ではありますが、加熱ムラが起こりやすく、皮が薄くしか剥けません。
そのため、皮や芽の周囲の身が残りやすいとされています。
子どもがいる家庭では特に注意し、しっかりと茹でた上で皮を剥いてから食べましょう。
加熱してもソラニンやチャコニンは完全に分解されません。
万が一、ジャガイモを食べた際に苦い・えぐい・舌がピリッとすると感じたら、その料理自体を食べないでください。
ソラニンやチャコニンは水に溶けやすく、煮汁などに溶け出してほかの食材に移ってしまうことがあるので、少しでも味がおかしいと感じた場合は、もったいないですが料理ごと廃棄するのがベターです。
ジャガイモの皮が緑色になるのを防ぐ保存方法

ジャガイモの皮が緑色になるのを防ぐには、保存方法が重要です。
まず覚えておきたいのは、ジャガイモは「光に弱い」野菜だということ。
日光はもちろん、家庭内の蛍光灯の光でも、有害物質であるソラニンやチャコニンが増えてしまうことがあります。
そのため、保存する際は次のポイントを意識しましょう。
ジャガイモの保存方法
- 直射日光や蛍光灯が当たらない暗い場所で保存する(10℃前後の涼しい場所が理想)
- 通気性・遮光性のある紙袋や段ボールに入れる
詳しいジャガイモの保存方法は、下記の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。

ジャガイモの保存方法は常温?冷蔵?長持ちさせるコツも解説
また、新じゃがは水分が多く、皮が薄いため、特に皮が緑色になりやすい傾向があります。
購入後はできるだけ早く使い切るようにしましょう。
ジャガイモの皮が緑色にならないように保存方法を知ろう

皮が緑色になったジャガイモには、食中毒を引き起こす可能性のある成分が含まれているため、適切な処理を行ってから食べるようにしましょう。
ジャガイモを長くおいしく、安全に食べるためには、風通しがよく、光が当たらない場所を選び、紙袋や段ボールに入れて保存するのがおすすめです。
トライアルでは新鮮なジャガイモをお手頃価格で購入できます。
店舗にはさまざまな種類のジャガイモが並んでいますので、料理や季節に合わせて選んでみてください。

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