
「柿」の栄養で風邪予防!子供が食べやすいチーズ入りレシピも紹介
10月から11月にかけて最盛期を迎える柿。「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあることからもわかるとおり、柿には非常に高い栄養価があります。特に、ビタミンCとβ-カロテン(ビタミンA)を多く含む柿は、風邪やインフルエンザなどが流行る冬に備えて、免疫力を上げるのに効果が期待できるそう。
そこで今回は、柿の栄養やスーパーでの選び方について、フードコーディネーターの清水加奈子さんにお聞きしました。さらに、柿を使った清水さんオリジナルのレシピもご紹介します。

食物繊維も豊富な「レンコン」の効能は?栄養を逃さないレシピも
柿1個で1日に必要なビタミンCを摂取できる!
柿には抗酸化作用を持つ成分が多く含まれており、中でもビタミンCは可食部100gあたり70mgと、ビタミンCの宝庫といわれるキウイフルーツ(同69mg)やミカン(同33mg)より豊富なのが特徴です。
「ビタミンCは抗酸化ビタミンと呼ばれていて、活性酸素の働きを抑える作用があります。また、コラーゲンの生成を助ける作用もあり、骨や血管、細胞を正常に保って、風邪などの病気やストレスへの抵抗力を高めてくれます。
ビタミンCは免疫作用に関わる白血球の働きを強化するともいわれていて、免疫力向上に効果が期待できる栄養素なんですよ」

ビタミンCは、人間の体内で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人におけるビタミンCの1日あたりの推奨摂取量は100mg。柿1個の重さは200g強なので、1個食べるだけで推奨量を十分に摂取することができます。
「キウイフルーツや柑橘系の酸味が苦手な人は、柿でビタミンCを補給するのもおすすめです」と清水さん。このほか、柿に含まれるβ-カロテンやタンニンも、高い抗酸化作用を持っているそうです。
「β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAもビタミンCと並んで抗酸化ビタミンに数えられる栄養素のひとつ。ビタミンAには粘膜を強くする作用もあるため、風邪などのウイルスに感染しにくくなる効果も期待できます。
ポリフェノールの一種であるタンニンにも抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立ちますね」
また、ビタミンCには日焼け予防、β-カロテンには細胞のターンオーバーの促進、タンニンには引き締め効果など、肌を整える作用もあるため、これらが含まれる柿は美容効果も望めるそうです。
柿のおすすめの食べ方やスーパーでの選び方とは?
ビタミンCとβ-カロテンを多く含む柿は、ビタミンEを含む食材と合わせることで、より抗酸化作用がアップします。
「β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEは、その名前からビタミンエース(ACE)と呼ばれるほど、高い抗酸化作用を発揮します。柿にはβ-カロテンとビタミンCが含まれているので、ナッツ類やごまなど、ビタミンEを含む食材と合わせるのがおすすめですね。
また、β-カロテンは脂質といっしょにとると吸収率がアップします。チーズやオイルと合わせて食べると、よりいいと思います」
ただし、栄養価が高いからといって食べすぎには注意!
「柿は果糖が多く、食べすぎると中性脂肪の上昇につながってしまいます。また、タンニンをとりすぎると便秘になるおそれも…。柿に限らず、果物は1日に1種類、1個を目安に食べるようにしてください」
逆にいえば、柿は少量で十分な栄養が摂取できる、うれしい果物といえますね。では、甘くておいしい柿を選ぶには、どのような点に注目すればいいのでしょうか。
「果皮がつややかでオレンジ色が均一であること、手に持ったときに大きくて重みがあることに加え、ヘタの形がきれいで果実にしっかり貼りついている物を選んでください。ヘタがはがれているものは、乾燥が進んで傷みやすいので避けましょう」

柿は、直射日光を避けた冷暗所での常温保存が一般的ですが、そのまま置いておくと熟成が進んでしまいます。同じ時期に購入した物が一斉に食べ頃を迎え、消費するのに困った経験がある人も少なくないでしょう。
「柿を複数個買う場合は、あえて青みの残る物も混ぜるなど、時間差で熟成が進むように選ぶのがおすすめです。
もしも、食べ頃になったけれどすぐに食べられないときは、冷蔵庫に入れると熟成を遅らせることができます。その際は、ヘタが乾燥しないように、ヘタの上に水で濡らしたキッチンペーパーを被せて、ラップで包んでから野菜室で保存してくださいね」
柿とゴマで免疫力アップ!「柿とホウレンソウのチーズゴマ白あえ」

ここからは、清水さんオリジナルの柿を使ったレシピをご紹介!「大人向けの料理」というイメージがある白あえですが、クリームチーズを加えることで味わいがまろやかになり、お子さんも食べやすくなります。
調理のしやすさや、水分を含む種子の周りのゼリー状の少なさから、今回のレシピでは種なし柿を使用しました。
トライアルの販売価格
柿(1個)…99円
※2021年10月 スーパーセンター長沼店調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です
※販売価格は時期や産地によって変動します
材料(2~3人分)
柿…1個
ホウレンソウ…2分の1束
豆腐(絹)…2分の1丁(150g)
クリームチーズ…50g
[A]
はちみつ…大さじ2分の1
白すりゴマ…大さじ1
塩…適量

作り方
1. 柿は皮をむいて6等分にし、5mm幅の薄切りにする。クリームチーズは常温で置いてやわらかくする。

2. ホウレンソウはさっと塩茹でし、水にさらす。5cmの長さに切って水気をしっかり切ったらボウルに入れ、全体に醤油(分量外※)をなじませる。水気が出たらしっかり絞る。
※ホウレンソウを端に寄せたとき、ボウルの底に醤油が少し残る程度の量が目安です。

3. 豆腐にキッチンペーパーを巻き、耐熱皿にのせてレンジ(600W)で1~2分加熱。レンジから取り出し、水気を切って冷ます。

4. ボウルに豆腐とクリームチーズを入れて泡立て器(ゴムベラでもOK)でつぶしながらよく混ぜる。なじんだら[A]を入れてさらに混ぜる。

5. 食べる直前に柿とホウレンソウを「4」に加えてあえる。

ホウレンソウは、茹でた後に醤油をかけて絞る「醤油洗い」をすることで、味がしっかりと染み込みます。それだけでなく、醤油の塩分が野菜の水分を引き出してくれるので、あえたときに水っぽくなりません。
このレシピは、ホウレンソウの代わりに春菊を使ってもOK。グッと大人の味わいになりますよ。
トライアルのおいしい柿を肉料理や副菜に使ってみよう
清水さんによると、柿は調味料としても活用できるそうです。
「韓国料理では、キムチの下味にしたりサムギョプサルのタレにしたりするなど、柿を調味料として使うことも。柿には酵素も含まれているので、お肉をやわらかくする働きもあります。
刻んだ柿とオイルを合わせてドレッシングにしたり、お肉といっしょにバターソテーにしたりするなど、実はいろいろな料理に使える便利な食材なんですよ」
今回ご紹介した「柿とホウレンソウのチーズゴマ白あえ」も、とても簡単に作れる一品です。新鮮でおいしい旬の柿をトライアルで手に入れて、柿を使った料理にぜひチャレンジしてみてください!

監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について