鶏むね肉・ささみをやわらかくする!パサパサにならない簡単ワザ
比較的リーズナブルで栄養価も高いことから、食卓に上りやすい鶏肉。しかし、「鶏むね肉」や「ささみ」はそのまま炒めたり蒸したりするとパサパサになりやすく、苦手意識を持っている人も多いようです。
今回は、鶏肉をしっとりやわらかくする下処理の方法や、おいしい調理の仕方について、管理栄養士・フードコーディネーターの清水加奈子さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、国際中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
トライアルの販売価格
若鶏むね肉(100g)…本体価格68円(税込78円)
※2025年8月 メガセンタートライアル八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します
鶏むね肉・ささみがパサつくのはなぜ?

鶏むね肉やささみは脂肪が少なく、加熱時に水分が逃げやすいため、パサつきやすい部位です。
清水さんによると、鶏むね肉・ささみがパサつく原因は、調理中に水分が抜けること。これを防ぐには、加熱前に酒や醤油、ショウガなどで下味をつけて水分を吸わせることが大切です。
ただし注意点もあり、塩や醤油で下味をつけたら時間を置かずすぐ加熱しないと、逆に水分が出てしまうこともあります。
さらに、炒め物などでは、片栗粉や小麦粉で表面をコーティングすることで、下味によって吸った水分が流れ出るのを防げます。
鶏むね肉・ささみをやわらかくする4つの下処理
鶏むね肉・ささみをやわらかく仕上げるには、加熱時間をできるだけ短くし、肉の内部の水分を保つことが重要です。
ただし、それだけでは不十分。
あらかじめ下処理をしておくことで、より一層しっとりとした食感に仕上がります。
ここでは、誰でもすぐに実践できる4つの下処理テクニックをご紹介します。
1. 漬け込む

鶏むね肉・ささみをやわらかくする下処理のなかでも、最も基本で効果的なのが「漬け込む」方法です。
以下の材料を使えば、保水力が高まり、加熱しても水分が抜けにくくなります。
・塩糖水(塩+砂糖+水)
もっとも手軽で効果の高い方法です。塩と砂糖にはたんぱく質の構造を安定させ、水分を保持する働きがあります。
目安は、水500mlに対して塩大さじ1、砂糖大さじ1。
鶏むね肉・ささみをこの塩糖水に漬けて冷蔵庫で3時間ほどおけば、驚くほどしっとりとした仕上がりになります。
・マヨネーズやヨーグルト
マヨネーズの油分は鶏肉の表面に薄い膜を作り、加熱時の水分蒸発を防ぐ効果があります。
ヨーグルトには乳酸菌と酸の力があり、たんぱく質を分解して食感をやわらかくする作用が期待できます。
・酢やまいたけ、フルーツ
酢のような酸性の調味料は、たんぱく質をやわらかくする働きがあります。
また、まいたけや玉ねぎ、キウイ、パイナップルなどに含まれる酵素も、筋繊維を分解してくれるため、漬け込むだけでやわらかい仕上がりになります。
ただし、フルーツは漬け込みすぎると逆にボソボソになる場合もあるので、30分〜1時間を目安にしてください。
2. コーティングする

鶏むね肉・ささみは、加熱中に水分が出やすくパサつきがちですが、片栗粉や小麦粉で表面をコーティングすることで、水分の流出を防ぐことができます。
炒め物や唐揚げなどでは、粉をまぶしてから加熱するのが◎。
ソテーなら小麦粉、煮るなら片栗粉を使うと仕上がりが良くなります。
粉は加熱の直前にまぶすのがポイント。
時間を置くと水分を吸ってべちゃっとなるので注意しましょう。
3. 物理的に繊維を断つ

鶏むね肉・ささみの硬さをやわらげるには、繊維を物理的に断つのも効果的です。
フォークで数ヵ所刺したり、包丁の背で軽く叩いたりすると、筋繊維がほぐれ、加熱しても柔らかく仕上がります。
さらにおすすめなのが、繊維に逆らって切る「そぎ切り」です。
斜めに包丁を入れることで断面が広がり、火が均一に通りやすくなります。
4. 調理法で工夫する
鶏むね肉・ささみをやわらかく仕上げるには、加熱の仕方もポイントです。
高温で一気に火を通すと水分が逃げて硬くなるため、低温調理や余熱調理がおすすめです。
たとえば、沸騰したお湯に鶏むね肉・ささみを入れたあと、火を止めて余熱でじっくり火を通せば、しっとりジューシーに。フライパン調理でも、弱火で中までゆっくり加熱することで、パサつきを防げます。
下処理を活かして作る!絶品鶏むね肉・ささみレシピ
鶏むね肉・ささみを多めに購入したときなど、保存もできて便利なのが「蒸し鶏」や「ゆで鶏」といった料理です。
まずは、蒸し鶏の作り方をご紹介しましょう。
レンジで簡単!ふっくらジューシーな蒸し鶏の作り方
1. 鶏むね肉にフォークで穴を開け、塩、こしょうをまんべんなくすり込み耐熱皿にのせる。
2. 「1」に酒をふりかけ、長ネギ、スライスした生姜をのせてふんわりラップをかけ、そのまま1時間程置いて肉を室温に戻す。
3. 電子レンジで5~6分加熱し、そのまま蒸し汁ごと冷ます。

長ネギや生姜といっしょに蒸すことで、鶏肉の生臭さがなくなります。蒸した後は、長ネギと生姜を取り出し、ラップにぴったり包んで冷蔵庫に入れましょう。3~4日は保存が可能です。
余熱でじっくり火を通す茹で鶏の作り方
1. 鶏むね肉に軽く酒をかけ、塩、こしょうをして、そのまま1時間程置いて肉を室温に戻す。
2. 厚手の鍋に水2カップ、スライスしたしょうが、長ネギの青い部分、酒少々、肉を入れて火にかける。
3. 沸騰したら3~4分茹で、蓋をしてそのまま30分以上置く。

鶏肉を茹でるときは、「水から茹でる」のがポイント。旨みが溶け出して、おいしいスープが出来上がります。加熱で火を通そうと思わずに、沸騰したら火を止めて、余熱でじわじわ火を通しましょう。
茹でた後、すぐに使わない場合は、長ネギと生姜を取り出して、煮汁ごと保存容器に入れて冷凍保存します。

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下処理した鶏むね肉・ささみの保存方法
鶏むね肉・ささみは、下処理をしてから保存することで、使うときにやわらかくおいしく仕上がります。塩糖水に漬けたものや、粉をまぶしたものを1枚ずつラップで包み、冷凍用保存袋へ。
空気をしっかり抜いて冷凍すれば、約2〜3週間保存可能です。
解凍は、冷蔵庫で自然解凍がおすすめ。
急いでいるときは、袋ごと流水につければ時短にもなります。まとめ買いしてもムダなく使い切れるので、節約にも◎!

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家族用の大パックも!鶏肉をお得に購入するならトライアルで

トライアルの生鮮コーナーでは、少量パックから家族用の大パックまで、さまざまなサイズの鶏肉を販売しています。
多めに購入して、時間があるときに蒸し鶏や茹で鶏にしておけば、忙しいときもすぐに使えて便利ですね。この記事を参考にして、鶏肉をよりおいしく召し上がってください。

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監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について