誰も知らない…地域ごとに異なるトライアルの寿司の秘密
手頃な値段で本格的な味が楽しめると評判の、トライアルの寿司。ネタの旬や鮮度にこだわり、可能な限り生の寿司ネタを使うなどの工夫を重ねています。
しかし、トライアルの寿司へのこだわりは、ネタだけではありません。販売する地域によって使用する醤油やシャリを変え、地域ならではの嗜好を反映した寿司を販売しているのです。
そこで今回は、ご家庭で最大限おいしく召し上がっていただける寿司を追求するトライアルの、「ネタ以外」のこだわりに着目しておいしさの秘密をご紹介します。
醤油のこだわり
寿司に必須の調味料といえば「醤油」。醤油に含まれるうま味成分や独特の香りは、魚の生臭さを消し、ネタの味を引き立ててくれます。
ただ、醤油と一口にいっても、その種類はひとつではありません。JAS規格によると、醤油は熟成期間が短い物から順に「白」「淡口(あわくち)」「甘口」「濃口(こいくち)」「再仕込(さいしこみ)」「溜(たまり)」の6つに分類されます。
中でも、市場流通量の約80%を占める「濃口」は、素材を活かしつつ醤油ならではの旨みを沿える万能タイプ。
スーパーなどで目にする機会も多いでしょう。
しかし、日本全国どこでも濃口が主流なわけではありません。各地域の風土や食文化によって、好まれる醤油の味わいや特性は大きく異なります。
そこでトライアルでは、地域に密着した醤油メーカーと契約を結び、各地域で多く使われている醤油を寿司パックにおつけしています。
トライアルがある地域ごとの醤油の種類
地域 | 醤油の特徴 |
---|---|
北海道 | 本醸造(※1)の濃口醤油を筆頭に、濃縮つゆや昆布醤油などが使われている。 |
東北 | 甘めの濃口醤油、濃縮つゆ、だし醤油などが一般的。 |
関東 | 濃口醤油の主要生産地であり、甘みのない本醸造の濃口醤油がメイン。 |
中部 | 溜醤油、白醤油が生まれた地域。一方で、本醸造の濃口醤油も広く好まれる。 |
近畿 | 本醸造の濃口醤油と、兵庫県たつのが発祥の薄口醤油が使われている。 |
中国 | 山口県柳井市は再仕込醤油の発祥だが、全体的に混合(※2)の濃口醤油が中心で甘めが好まれている。 |
九州 | 混合の濃口醤油と薄口醤油を使い分ける地域。南九州では特に強い甘みを好む傾向がある。 |
※2 混合…本醸造で作った、火入れや濾過をしていない醤油にアミノ酸を加える製法。
一般的に甘口を好む人が多い九州では、佐賀県の宮島醤油に共同開発を依頼。
地域の人にとってなじみ深く、おいしく食べていただけることを第一に考えた醤油をオリジナルで開発しました。
また、ネタとのバランスを踏まえ、1人前におつけする醤油は1袋6mlが基本。
ご自由にお持ち帰りいただける醤油を店頭でもご用意しておりますので、人数に応じて袋の数を増やしていただくことで、ネタの味と醤油の風味との絶妙なバランスを維持することが可能です。
トライアルの魚は一級品!安くても鮮魚店、寿司店と並ぶ品質を実現
わさびのこだわり
江戸時代後期に握り寿司が流行した際、消臭作用と抗菌作用の高さから使われるようになったといわれるわさび。
独特の香りには食欲増進効果もあり、現代では薬味としての効果に期待して、寿司とセットで使われています。
醤油ほどではないものの、わさびも地域によって好みが分かれる物のひとつであり、西洋わさびと本わさびの特性を活かした配合がポイントです。
わさびの違い
種類 | 特徴 |
---|---|
西洋わさび | 東ヨーロッパが原産。鼻にツンとくる風味が特徴で、辛味が強い。 |
本わさび | 日本が原産。爽やかな香りと風味で、すり下ろした後の辛味は西洋わさびよりマイルド。 |
トライアルのわさびは、辛味と旨味のバランスがちょうどいい「西洋わさび6:本わさび4」の配合を原則として、こちらも地域によって若干割合を変えています。
シャリのこだわり
寿司の完成度を高めるには、ネタだけでなくシャリのクオリティもかなり重要。
トライアルの寿司には、3つの「おいしいシャリの条件」をクリアしたものだけを使用しています。
1 古米と新米をブレンドする
シャリは、酢をよく吸いながらもベタつかず、口に入れたときにほろほろと崩れてネタに絡む状態がベスト。
しっかり乾燥させた古米(収穫から1年過ぎたもの)と新米をうまくブレンドさせるのがポイントです。
トライアルでは、生産地や生産された年の気候を踏まえて新米と古米を配合し、独自のブレンド米を使用しています。
2 寿司に適した銘柄の米を使う
数ある米の中でも、寿司に適した銘柄は一部に限られます。
よく使われているのは、下記の4つです。
寿司によく使われる米
銘柄 | 特徴 |
---|---|
ササニシキ | 宮城県を中心に栽培され、粘度が低くほぐれやすいので寿司や酢飯によく使われる。 |
コシヒカリ | 粘度も香りも、旨みも高く、米の最高品種と呼ばれるコシヒカリ。ササニシキとブレンドして使われることも。 |
あきたこまち | 水分が多く、粘度の高い品種。味と香りのバランスがいい。 |
ひとめぼれ | ササニシキに代わる品種として宮城県で開発された品種。冷めてもおいしいことを追求して作られており、お弁当などに適している。 |
冷蔵ケースに並んだ物を持ち帰って食べるスーパーの寿司は、時間が経ってもおいしいお米であることが大前提。
トライアルでは、耐冷性のある「ひとめぼれ」を中心に、福岡県のみで栽培されている「夢つくし」など、ひとめぼれによく似た性質を持つ各地域の県産米も選定して使用しています。
なお、関東地方では、今後「青天の霹靂」や「銀河のしずく」を使っていく予定です。
3 季節や天候で炊き加減を調整する
同じ銘柄の米を同じように炊いても、季節やその日の天気、気温によって出来上がりに差が生まれます。
いつ食べても一定の食感と味を保つには、繊細な水加減と火加減が欠かせません。
トライアルの寿司に使用するシャリは、すべて炊飯のプロがその日に炊き上げています。
寿司酢のこだわり
寿司酢として使用されるのは、主に「粕酢」「米酢」「醸造酢」の3つです。
酢の種類ごとの特徴
種類 | 特徴 |
---|---|
米酢 | すっきりした癖のない香りと甘みがあり、酸味はまろやか。 |
粕酢 | しっかりとしたコクと旨みがある。 |
醸造酢 | 小麦、米、コーンといった穀物と酒かすを使用した酢。癖のない香りと酸味が特徴。 |
トライアルでは、作ってからお客様が召し上がるまでにある程度の時間が経過することを踏まえて、米酢をベースに少し濃い目の味を意識し、味と色味の劣化を防止しています。
また、寿司酢も地域ごとに異なる味の好みを反映するため、地域を第1グループから第4グループに分け、第4グループが最も甘味のある寿司酢になるよう調整していることもこだわりのひとつです。
寿司酢の地域グループ
お客様の口に入る瞬間に、最高のおいしさを
寿司に必要なネタ・シャリ・酢・醤油・わさびのすべてにおいて、「寿司との相性」と「販売する地域の好み」を徹底的に追求したトライアルの寿司。
完成度を高めるべく、商品名に「にぎり」が含まれる物は、必ず人の手で握って仕上げをしています。
また、パック詰め後の寿司が並ぶケースの温度は、シャリもネタも硬くならず、ネタの鮮度が落ちないギリギリの温度である15℃をキープ!
トライアルの寿司は、地域ごとの気候や文化的な味の嗜好を踏まえて、寿司にまつわるすべての要素にとことんこだわっています。
そこまでやるのは、すべてのお客様が召し上がる瞬間にフォーカスしているからこそ。
通ってくださっているなじみの店舗はもちろん、出張や旅行などで他地域にお出掛けの際は、ぜひ地元のトライアルの寿司売り場に立ち寄って、醤油やシャリの違いにも注目してみてくださいね!