むくみ解消に効果的な食べ物や飲み物とは?原因や予防法も紹介
体内に余分な水分が溜まると生じるむくみ。しかしむくみを取りたいからといって、水分をとることを我慢するのが、いいことだとは限りません。今回は、むくみの原因や予防法、すっきり解消する食べ方や食べ物はどういったものがあるのか紹介していきます。
教えてくれたのはこの人
広田千尋 管理栄養士
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方やご高齢の方への栄養サポート、また赤ちゃんや子ども向けの食事相談など、幅広い年代のサポートに携わる。身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
公式サイト
Instagram:@chihiro_eiyo
むくみの原因とは
むくみとは、細胞と細胞の間に余分な水分がたまった状態です。何らかの原因で血管内に水分が多い状態になると、血管から水分が漏れ出し、むくみを作ってしまいます。
中には病気が原因となるむくみもありますが、健康な方に起きるむくみは、食事や生活習慣による原因がほとんどです。どのような原因なのか、さらに詳しくみてみましょう。
1.塩分のとりすぎ
むくみの原因の中でも、特に多いのが塩分のとりすぎです。
塩分(ナトリウム)をたくさんとると体内の塩分濃度が高まってしまい、塩分を薄めようとして水分を取り込んでしまいます。そうすると、血管内に水分が多い状態となり、血管外に水分があふれてむくみを作ってしまうのです。
塩分の多い物をよく食べる方や、濃い味付けを好む方、おかずをたくさん食べる習慣のある方は、注意が必要です。
2.お酒の飲みすぎ
お酒は利尿作用があるため、たくさん飲むと体内は水分不足の状態になります。そのため、水分を多く取り込もうとしてしまい、むくみが起こってしまうのです。またアルコールにより血管が拡張することでも、水分が漏れ出やすくなってしまいます。
さらに、おつまみにより塩分をとりすぎると水分をため込んでしまうため、余計にむくみが起きやすくなります。
3.運動不足
運動不足もむくみの原因となります。
運動は全身の血流を良くしてくれる働きがありますが、座りっぱなしなどの状態では血流が悪くなってしまいます。
また、運動不足によるふくらはぎの筋肉量の低下も原因の1つです。ふくらはぎの筋肉は、下半身にたまった血液を心臓に押し戻す大切な役割を担っています。ふくらはぎの筋肉量が低下すると、足に血液が滞りやすくなるため、むくみが起こってしまうのです。
運動する習慣のない方や、デスクワークなどで体を動かす機会が少ない方などは、運動不足に注意しましょう。
4.睡眠不足や疲労
睡眠不足や疲労により血液の巡りが悪くなると、むくみを引き起こしやすくなると考えられます。むくみが気になるときは、睡眠が足りているか、疲れがたまりすぎていないかも振り返ってみましょう。
むくみが気になるときは、水分は控えるべき?
むくみが気になるからといって、水分を控えるべきではありません。むしろ水分をとって、血流を促すといいでしょう。
ただし、過剰に水分をとるとむくみが悪化することもあります。1日に必要な水分量は、2.5Lほどであり、そのうち飲み物からとる量の目安は1.2Lほどといわれています。過剰になりすぎない範囲で、水分を適切に補給しましょう。
むくみを予防する方法とは
むくみを予防するには、食事や生活習慣の改善が大切です。具体的な方法を確認してみましょう。
1.1日の塩分摂取量を知り、食べすぎを防ぐ
むくみの原因となる塩分を控えるようにしましょう。1日の塩分(食塩)摂取量の目標量は、18歳以上の男性では7.5g未満、女性では6.5g未満に対し、厚生労働省による「令和元年 国民健康・栄養調査」では現状の摂取量は3g前後ほどオーバーしている状況です。
まずは、食事は薄味を心掛けるようにします。ほかにも、ラーメンやうどんなどの麺類や、キムチやたくあんなどの漬物、ハムやウインナーなどの加工品は、塩分が多いため食べすぎには注意し、野菜や果物などをバランスよくとるようにしましょう。
2.運動を行う
運動を行うことで血液の巡りがよくなり、むくみの予防に役立ちます。特にふくらはぎの筋肉量がアップすると、足のむくみ予防に効果的です。ウォーキングや階段昇降、スクワットなどの下半身を使う運動がいいでしょう。
3.体を温める
体を温めることにより、血流が促されるため、むくみの予防になります。例えば、入浴により全身を温めたり、手足を冷やさないように対策したりするといいでしょう。また冷たい飲み物を避けて、常温か温かい飲み物にすることでも、体の冷え対策になります。
むくみ解消や予防に役立つ食べ物や飲み物、栄養素
むくみを起こさないために、食事や生活習慣の改善のほかにも、解消や予防に役立つ栄養素を含む食べ物や飲み物を取り入れてみましょう。どのような食べ物や飲み物がいいのか、詳しく解説します。
1.カリウム
カリウムは余分な塩分を排出してくれ、塩分のとりすぎが原因となるむくみの予防や解消に役立ちます。日頃から取り入れてむくみを予防するだけでなく、むくみが気になるときに意識して取り入れると、すっきりできるでしょう。
またトマトジュースや豆乳などの飲み物は、コンビニやスーパーで手軽に手に入るため、上手に活用してみてください。
カリウムが豊富な食べ物(100gあたりのカリウム含有量)
食品名 | 含有量 |
---|---|
ホウレンソウ | 690mg |
納豆 | 690mg |
サトイモ | 640mg |
アボカド | 590mg |
サツマイモ(皮つき) | 380mg |
バナナ | 360mg |
トマトジュース(食塩無添加) | 260mg |
豆乳(調製) | 170mg |
2.たんぱく質
たんぱく質は筋肉を作る材料となり、むくみ予防に必要な筋肉量をキープするために欠かせません。
ご飯やパン、麺などの糖質に偏った食事ではたんぱく質が不足しやすいため、下記のようなたんぱく質を含む食べ物を取り入れるようにしましょう。
たんぱく質が豊富な食べ物(100gあたりのたんぱく質含有量)
食品名 | 含有量 |
---|---|
クロマグロ(赤身) | 26.4g |
カツオ | 25.8g |
鶏ササミ | 23.9g |
鶏ムネ肉(皮なし) | 23.3g |
プロセスチーズ | 22.7g |
豚モモ肉(脂身つき) | 20.5g |
納豆 | 16.5g |
鶏卵(全卵) | 12.2g |
3.ビタミンE
ビタミンEは血流を促す作用があります。むくみの予防には全身の血流を促すことが大切なので、ビタミンEを取り入れるようにしましょう。
ビタミンEが豊富な食べ物(100gあたりのビタミンE含有量)
食品名 | 含有量 |
---|---|
アーモンド | 29.0mg |
ピーナッツ | 10.0mg |
オリーブ油 | 7.4mg |
パプリカ(赤) | 4.3mg |
カボチャ | 3.9mg |
アボカド | 3.3mg |
むくみをすっきり解消するレシピ
むくみ解消に役立つカリウムを含む食材を使ったレシピを2つ紹介します。どちらも10分以内で簡単に作れるため、むくみが気になるときにぜひお試しください。
サツマイモのはちみつバター焼き
カリウムを含むサツマイモをバターで焼き、はちみつを絡めました。サツマイモをおいしく手軽に食べられ、塩分控えめなのもうれしいポイントです。
またサツマイモは食物繊維の豊富な皮ごと使っています。食物繊維は塩分を吸着して排出してくれるため、むくみ予防にぴったりです。
調理時間:10分
費用目安:83円(税込)
材料(2人前)
サツマイモ…2分の1本
バター…10g
はちみつ…小さじ1
塩…少々
作り方
1.サツマイモは皮つきのまま1cm幅の斜め切りにし、さらに1cm幅に切りスティック状にする。水にサッとさらして水気を切る。
2.フライパンにバターを入れて弱めの中火で熱し、1を入れる。転がしながら5〜6分ほど、サツマイモがやわらかくなるまで焼く。
3.2の火を止めて、はちみつ、塩を加えて混ぜ合わせる。
- カロリー…132kcal/1人当たり
- たんぱく質…0.7g/1人当たり
- カリウム…261mg/1人当たり
- ビタミンE…0.8mg/1人当たり
- 食塩相当量…0.25g/1人当たり
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レンチンブロッコリーのぺペロン風
カリウムの豊富なブロッコリーを使い、ぺペロン風の味付けにしたレシピです。レンジであっという間に完成します。
カリウムは水溶性の栄養素であるため、茹でるよりレンジ調理のほうが効率よく摂取できておすすめです。ブロッコリーの100gあたりのカリウム含有量を比較すると「茹で」が210mgに対し「レンジ調理」は500mgと、2倍以上の差があります。
ニンニクは控えめにしているので、お弁当のおかずにもぴったりです。
調理時間:10分
費用目安:149円(税込)
材料
ブロッコリー…2分の1個
[A]
オリーブ油…小さじ2
水…小さじ1
コンソメスープの素(顆粒)…小さじ2分の1
おろしニンニク…小さじ4分の1
塩…少々
粗びき黒こしょう…少々
赤唐辛子(輪切り)…少々
作り方
1.ブロッコリーは小房に分ける。
2.耐熱ボウルに1、[A]を入れてよく混ぜ、ラップをして電子レンジ(600W)で約1分30秒加熱し、再びよく混ぜる。
- カロリー…57kcal/1人あたり
- たんぱく質…2.8g/1人あたり
- カリウム…234mg/1人あたり
- ビタミンE…1.8mg/1人あたり
- 食塩相当量…0.45g/1人あたり
ブロッコリーはたんぱく質など栄養たっぷり!期待できる効能は?
※価格は2024年8月 スーパーセンターアイランドシティ店 調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
むくみを解消して、すっきりした毎日を!
むくみは見た目が気になるほかにも、不快感やだるさにつながることもあり、なるべくむくまないようにして毎日過ごしたいものです。むくみを解消・予防する食べ物や飲み物を取り入れたり、予防法を実践したりして、すっきりした毎日を送りましょう。
なお、今回紹介した方法を実践してもむくみが解消しない場合や、むくみが長く続く場合は、病気が隠れている可能性も考えられます。気になる症状がある際は、医療機関の受診を検討しましょう。
※記事は2024年9月時点の内容です。