たったこれだけ?誰でも簡単に肉をやわらかくする方法&レシピ
お肉を家で焼くと、硬くなったりパサついたり…。「お店のようにやわらかくする簡単な方法やレシピを知りたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、調理前のひと工夫や自宅にある調味料などを使うことで、簡単に肉をやわらかくジューシーに仕上げることができます。今回は、牛肉や豚肉をやわらかくする方法やレシピについて、トライアルの惣菜部門を担う明治屋の甲斐孝文シェフと管理栄養士の谷口雄樹に教えてもらいます。
教えてくれたのはこの2人
株式会社明治屋 中華料理シェフ 甲斐孝文
福岡の中華料理店「八仙閣」「ホテルオークラ福岡」などの中国料理店で腕を振るう。「キャナルシティ福岡ワシントンホテル」のレストラン料理長を務めた後、株式会社明治屋に入社。中華総菜の商品開発を手掛ける。
株式会社明治屋 管理栄養士 谷口 雄樹
株式会社明治屋商品部で惣菜の商品開発を担当する。
肉を加熱すると硬くなる原因とは
肉をやわらかくするには、さまざまな方法があります。まずは、肉が硬くなってしまう原因から見ていきましょう。
1.加熱するとコラーゲンが収縮する
谷口:肉を構成しているタンパク質(いわゆるコラーゲン)が硬くなるからです。コラーゲンを加熱すると65℃くらいから収縮が始まります。
例えばイカや魚を焼くと、身が縮んだりくるんと丸まったことはありませんか?それと同じ現象がお肉にも起きているのです。
2.加熱しすぎると水分が失われる
谷口:肉は加熱しすぎると、水分や旨みが含まれる肉汁が流出してしまい、パサついてしまいます。人のお肌が水分量の違いで潤いに変化が出るように、肉も適度な水分が保たれることでやわらかく仕上がります。
しっかり焼いた方がいい豚肉や鶏肉と牛肉では加熱時間が異なりますし、肉の部位によっても違いがあるので、適度な加熱時間を知ることが大切です。
下ごしらえでやわらかく
肉を加熱すると硬くなる原因は「コラーゲンの収縮」と「加熱による水分の流出」ということを前項でお伝えしました。では、加熱しても硬くならず、やわらかく仕上げるためにはどういった方法があるのでしょうか。
谷口:まず、お肉をやわらかく仕上げるには、いくつかのステップがあります。最初のステップは「下ごしらえ」。適切な下処理を施すことで、肉をやわらかくジューシーに仕上げることができます。
肉は筋繊維でできていて、そのまま加熱するとタンパク質が収縮して肉が反り返ってしまいます。これが、加熱によって肉が硬くなってしまった状態です。
この筋を加熱前に切っておくことで反り返りを防ぐことができ、肉をやわらかくすることができます。これを「筋切り」と言います。硬い筋繊維を断ち切るので、食べるときも噛み切りやすくなります。:
1.筋切りをする
谷口:それでは、筋切りの方法を見ていきましょう。まず、赤身と脂身の境目に包丁の刃先を突き刺すようにして1㎝くらいの切れ込みを入れます。肉の大きさにもよりますが、等間隔に7、8ヵ所入れるといいでしょう。
基本的には片面に入れれば大丈夫です。切れ込みを入れすぎると、旨みが逃げてしまうので注意してください。
2.叩くことで全体的に筋を切る
谷口:次は、肉を叩くことでやわらかくしていきましょう。豚カツやステーキなど、加熱後のお肉をやわらかく仕上げたいなら、包丁の背側や麺棒、肉叩きなどでトントンと軽く叩いて筋繊維を切ると良いでしょう。
叩くことで筋繊維が壊れ、厚みを整えることで火の通りも均一になります。肉の表面に傷が付くことで、味が染み込みやすくなるというメリットもあります。
3.肉を加熱するときのポイント
谷口:冷蔵庫から出したばかりのお肉はそのまま焼いてしまうと中心部まで火が入らず、「外は焼けているけど中は生焼け」という状態にもなりかねません。火の通りが悪いと長時間加熱することにもなり、結果的に加熱のしすぎで旨みである水分も失われてしまいます。
冷蔵庫から出した後は、30分程度置いて常温に戻してから焼くと、お肉の外側と内側の温度差がなくなり、均一に火が入るようになります。ただ、夏場など暑い時期は傷みが早まるので、こまめにお肉をチェックしてください。肉の厚みや種類、季節によって常温に戻す時間を調整するようにしましょう。
「酵素」もやわらかくする秘密の一つ
続いて、さまざまな食材に含まれている「酵素」を使って肉をやわらかくする方法をみていきます。
1.酵素(プロテアーゼ)とは
谷口:肉をやわらかくする酵素には、プロテアーゼというタンパク質分解酵素があります。硬くて噛み切れない肉は、タンパク質を分解することでやわらかくすることができます。肉を加熱する前に、プロテアーゼを含む調味料に漬け込むことで、やわらかい食感に仕上げることができるのです。
2.プロテアーゼを含む身近な食材
谷口:プロテアーゼが含まれている食材とはどんなものがあるのか見ていきましょう。
タンパク質を分解するプロテアーゼが多い食材は、玉ねぎや舞茸、りんご、キウイフルーツ、パイナップル、梨などです。
3.プロテアーゼを効果的に使うには
谷口:プロテアーゼを含む食材は、すりおろしたり、刻んだりして使うと酵素の働きが増します。果物や玉ねぎをすりおろしたものに、お肉を20〜30分漬け込んでおきましょう。舞茸は手でほすぐだけでなく、みじん切りにして密着させるとより効果が増します。
ただ、ここで気をつけたいのが漬けすぎないこと。漬け込みすぎるとお肉がボロボロになってしまう可能性もあるので、注意してください。
酒やコーラもOK!自宅の調味料で肉をやわらかく
実は自宅にある日本酒や炭酸水にも、お肉をやわらかくする効果があります。
1.日本酒
谷口:日本酒に30分〜1時間程度漬け込むと、お肉の繊維がやわらかくなります。料理酒でも代用は可能ですが、塩分や添加物が含まれていることもあるので、使う際は味付けの調整が必要となります。
2.炭酸水・コーラ
谷口:日本酒と同じように炭酸水にも、お肉をやわらかくしてくれる効果があります。漬け込むだけでなく、煮込み料理の水の代わりに使うこともできます。中でも、コーラは甘味が染み込んで味付けも簡単に。火を通すことでコーラの風味は飛ぶので気になりません。
日本酒も炭酸水も、なぜお肉をやわらかくする作用があるのかというと、それはpH値を変化させるからです。pH値とは、アルカリ性・中性・酸性といった液体の性質のことですが、日本酒や炭酸水に漬けることで、お肉が酸性へと傾きます。その作用で筋繊維がほぐれ、やわらかくなる仕組みです。また、保水力もアップするので、よりジューシーなお肉に仕上がります。
3.味噌
谷口:発酵食品である味噌にも酵素が豊富に含まれているので、お肉をやわらかくしてくれる作用があります。また、味噌漬けにすることで、芳醇な香りとコクのある味わいといった「おいしい変化」が生まれます。焼き色も付いて見た目にもおいしく仕上がります。
やわらかくジューシーな豚肉とピーマンのオイスター炒め
ここからは中華料理の職人・甲斐シェフが考案した、豚肉とピーマンを使ったオイスター炒めのレシピをご紹介します。しっかり味が付いているので、ご飯がどんどん進みますよ!
材料(2人分)
調理時間:15分 費用目安 400円(税込)※2024年6月時点
豚ロース(とんかつ用)…1枚(約100g)
ピーマン…3個
玉ねぎ…1/4個
(A)オイスターソース…大さじ2
(A)醤油…大さじ1
(A)水…大さじ1
(A)上白糖…小さじ2
(A)片栗粉…小さじ1
ごま油…大さじ3分の2
サラダ油…大さじ1
塩コショウ…適量
作り方
豚ロース肉を筋切りした後、包丁の背側や麺棒、肉叩きなどで叩いて薄く伸ばす。
豚ロースを幅5㎜に切り、塩コショウを適量ふりかけて、よく揉みこむ。
ピーマンの種を取り、縦半分に切った後、繊維に沿って幅3㎜に切る。
玉ねぎを繊維に沿って幅3㎜に切る。
フライパンにサラダ油を大さじ1入れて熱し、 中火で豚肉の色が変わる程度まで炒める。豚肉に火が通ったら、玉ねぎとピーマンを入れて炒める。
しんなりしてきたら、よく混ぜておいた(A)の合わせ調味料を入れ、仕上げにごま油を回しかける。
ポイント・コツ
ピーマンの切り方は、シャキシャキとした食感がお好みなら縦切りに、お子さまに食べさせやすいやわらかめがお好みなら繊維を断つ横切りに。
食べ応えあるお肉を手に入れるなら、毎日お得なトライアルで
お肉をやわらかくする方法は、自宅にあるもので簡単にできます。一度覚えて下準備をしてしまえば、やわらかくてジューシーなお肉がご家庭で味わえます。
トライアルでは、お手頃価格のお肉が豊富にそろっています。下ごしらえのひと手間でお子さまやご高齢の方にもやわらかくおいしいお肉になるので、ぜひお試しください。ご満足いただけること間違いなしです。
※記事は2024年7月時点の内容です。
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