栄養満点のキウイフルーツ!グリーン・ゴールドの違いや追熟方法は?
全国の産地から、そのとき最もおいしい食材を日々お届けしているトライアルの青果担当が、旬を迎える食材の「実は…」な話をご紹介する連載「トライアル野菜博士の豆知識」。
今回のテーマは「キウイフルーツ(以下、キウイ)」です。
美容と健康に高い効果があることで知られ、幅広い世代に愛されているキウイ。
すっぱいイメージを持つ人はいるかもしれませんが、最近では甘みが強い品種が定番化して、好みに応じて選べるようになりました。
年間を通じて見かけるキウイの中でも、最も多く流通しているニュージーランド産キウイの旬は初夏。
種類ごとの違いや食べ頃の見分け方などを知って、おいしくて腸活にも◎なキウイをたくさん食べましょう!
トライアルの野菜博士
トライアル 青果商品部 安丸輝(やすまる あきら)
青果担当歴12年。トライアルの野菜や果物の仕入れに携わる中で、多くの野菜知識を蓄積してきた。
好きな食べ物は、とうもろこしと桃。
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「キウイ=すっぱい」のイメージは過去のもの
果物をほめるとき、「みずみずしい」「新鮮」「濃厚」などと並んで、「甘い」がよく使われる日本では、すっぱい果物が苦手な方も多いでしょう。
ひょっとして、「以前食べたキウイがすっぱすぎて、それ以来食べられない」と、キウイを避けている方もいるかもしれませんが、それも今は昔。
確かに、過去に流通していたキウイはすっぱい物が中心でしたが、栽培方法が進化し、種類も多様化して、トロピカルな甘さを感じる品種が出回るようになりました。
トライアルでは、昔ながらのすっぱさがお好きな方にも、甘みを重視する方にも満足していただけるよう、酸味の強い「グリーンキウイ」、甘味の強い「ゴールドキウイ」の両方を仕入れています。
「グリーンキウイ」と「ゴールドキウイ」はどう違う?
「グリーンキウイ」と「ゴールドキウイ」は、同じキウイでも特徴が異なります。
まずは、ざっくりと違いをまとめてみました。
グリーンキウイとゴールドキウイの特徴
グリーンキウイ | ゴールドキウイ | |
---|---|---|
見た目 | 丸みがあり、果皮が短めのチクチクした毛で覆われている。 | グリーンより細長く、片方の先端がとがっている。果皮に毛はあるが薄い。 |
果肉の色 | 濃い緑色 | ゴールドに近い黄色 |
味 | 酸味が強いが、甘みもありバランスがとれた味わい | 甘味が強い |
栄養・美容効果 | 食物繊維が豊富 | ビタミンがたっぷり |
グリーンは酸味強、ゴールドは甘味強
グリーンキウイにするか、ゴールドキウイにするかで迷ったとき、判断のポイントになるのが好みの「味」です。
グリーンキウイは、強い酸味の中に甘みがあり、バランスのとれたさっぱりした味わい。
しつこさがなく、さわやかな風味です。
一方、ゴールドキウイは、強い甘みが特徴。
果物の酸味を好む欧米と違い、どちらかといえば甘みを求める日本人の嗜好に合わせて開発された品種だけあって、食べやすいと感じる人が多いと思います。ジューシーな果肉に濃厚な甘みで、独特の酸っぱさはあまり感じられません。
グリーンは腸活に、ゴールドは美肌に◎
日本の果物消費量が落ち込む中でも、キウイは毎日食べる人もいるほど人気です。
その理由は、キウイに含まれる栄養素や、美容への効果が広く知られるようになったから。
「果物は体にいい」といった漠然とした話ではなく、エビデンスにもとづく知識が浸透したことで、人気に火がついたようです。
グリーンキウイとゴールドキウイは、それぞれ多く含まれる成分が違うので、「欲しい効果」で食べる種類を決めてもいいかもしれません。
グリーンキウイ
グリーンキウイには、ゴールドキウイの約2倍の食物繊維が含まれています。
便秘がちの方は、積極的にグリーンキウイをとりましょう。
ゴールドキウイ
ゴールドキウイは、グリーンキウイよりビタミンCやEが多め。
1個食べると、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」における、成人1日のビタミンC摂取推奨量100mgを満たすといわれています。
美肌効果や抗酸化作用が高いので、エイジングケアにぴったりです。
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夏はニュージーランド産、冬は日本産キウイが出回る
店頭でキウイの産地を確かめて、ニュージーランド産が多いな…と思っていた方も多いのではないでしょうか。
実際、グリーンキウイもゴールドキウイも、流通している物の90%近くはニュージーランド産です。
しかし、ニュージーランドでは、3月から5月頃がキウイの収穫時期。
ゴールドキウイが日本の初夏から10月くらいまで、グリーンキウイが同じく初夏から12月にかけて出回った後、12月から翌年の3月頃にかけてはニュージーランド産のキウイが日本の市場から消えてしまいます。
そこで、南半球のニュージーランドとは季節が逆の日本で、キウイの栽培が始まりました。
国産キウイの存在を知らない方も多いかもしれませんが、生産量トップの愛媛県を筆頭に福岡県、和歌山県、神奈川県、静岡県などで盛んに生産されています。
これらの国産キウイが出荷されるのは、12月から3月。
ちょうどニュージーランド産のキウイがなくなる時期に、うまく国産キウイが入れ替わる形で流通しているのです。
国産キウイ誕生のきっかけは「ミカン」
国産キウイの産地の多くは、みかんの産地と重なっています。
これは、1970年代にみかんの生産が過剰になって価格が暴落した際、みかん農家がキウイに転作したのが理由なのだそう。
比較的手入れが簡単で、意外と栽培しやすいことから、今では幅広い地域で栽培されるようになりました。
店頭に並んでいる期間が長いニュージーランド産に比べると、まだ認知度は低い国産キウイですが、見かけたらぜひニュージーランド産と食べ比べてみてください。
やわらかな弾力があれば食べ頃!早く追熟させるには?
キウイは、収穫した後、さらに一定期間置くことで完熟する追熟果実。
基本的には、スーパーなどで販売されるタイミングで完熟するようなスケジュールで収穫されていますが、流通の期間を考慮して少し早めに収穫されている場合もあります。
店頭で皮の色を見ただけでは熟度はわからないので、そっと包み込むように持ってみてください。
手のひらにやわらかな弾力を感じたら食べ頃です。
もし、硬い未熟のキウイを買ってしまっても、バナナやリンゴなどといっしょに袋に入れて室温で置いておけば、熟すのが早まりますよ。
今年のキウイは大玉がたくさん!
近年のキウイは大玉が多く、食べ応えのある物が手に入りやすくなっています。
トライアルの店頭にも、ニュージーランド産のグリーンキウイ、ゴールドキウイがたくさん入荷していますので、ぜひこの時期に味わってください。
毎日食べる習慣をつけると、美容・健康効果も高まるはず。比較的日持ちのするフルーツなので、週末のまとめ買いにもおすすめですよ!
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