「みかん」の種類や保存方法は?栄養も豊富な冬の味覚を楽しもう
寒い冬、温かい部屋で食べたい果物といえば「みかん」。一昔前、「こたつでみかん」は日本の冬の風物詩でしたよね。ライフスタイルの変化やエアコンの普及に伴い、みかんを囲んだ一家団らんの光景は減りつつありますが、おいしいみかんの記憶は多くの人の心に刻まれているのではないでしょうか。
今回は、小さな実においしさと栄養をたっぷり詰め込んだみかんのことを、トライアルの野菜博士に教えてもらいました。
トライアルの野菜博士
トライアル 青果商品部 安丸輝(やすまる あきら)
青果担当歴12年。トライアルの野菜や果物の仕入れに携わる中で、多くの野菜知識を蓄積してきた。
好きな食べ物は、とうもろこしと桃。
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みかんの最盛期は11月
一般的にみかんと呼ばれているのは、国内で圧倒的に収穫量が多く、みかん科の代表格として知られる温州(うんしゅう)みかん。
温州みかんには100を超える品種があり、収穫時期によって分類されるのが一般的です。
農林水産省では「極早生(ごくわせ)」「早生(わせ)」「普通」の3つに分類されていますが、私たちは次のように分けることが多いです。
- ハウスみかん
- 極早生(ごくわせ)みかん
- 早生(わせ)みかん
- 中生(なかて)みかん
- 晩生(おくて)みかん
みかんの食べ頃カレンダー
それぞれの旬と特徴を簡単にご紹介します。
ハウスみかん
ハウスみかんは、加湿されたハウスの中で育てることによって、成熟を早めた温州みかん。通常の露地みかんの収穫は9月頃ですが、ハウスみかんは春から秋にかけて収穫できます。
夏頃に食べられるハウスみかんは、甘味と酸味のバランスが絶妙といわれていますよ。
極早生みかん
露地物のみかんの中では最も早く、9月頃から収穫されるのが極早生みかん。
外の皮は全体的に緑が多めで、淡い黄色が混じっていることもあります。酸味が強く爽やかな味わいが特徴で、人によってはかなり酸っぱく感じるかもしれません。酸味が強めのみかんをお好みなら、ぜひこの時期の物を。
早生みかん
早生みかんは、11月頃から収穫される黄色いみかんです。
みかんの品種別の収穫量割合を見ると、早生みかんである「早生温州」が全体の約6割を占めており、一般に最もなじみ深いみかんといえるでしょう。甘味と酸味のバランスが良く、内側の皮も薄いので食べやすいです。
中生みかん
中生みかんは12月頃から収穫されるみかんで、「普通温州」とも呼ばれます。
見た目は早生みかんに似ていますが、外皮の色がオレンジに近い濃い色で、糖度は高め。お歳暮にも人気です。
晩生みかん
年末から春にかけて見かけるみかんは、12月頃に収穫され、貯蔵することで甘味を増したのが晩生みかんです。
外皮、内皮ともに厚いので早生みかんなどに比べて食べにくいですが、その分甘味が濃く、長めに保存できます。
地域によって親しみのある産地は異なる
温州みかんは、主に和歌山県、愛媛県、静岡県を代表的な産地として、熊本県や長崎県など、九州地方でも多く栽培されています。
静岡県の青島みかん、和歌山県の有田みかん、愛媛県の西宇和みかんなど、ブランドみかんとして名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
温州みかんの主な産地
ただ、住んでいるエリアによって、スーパーでよく見かけるみかんの産地はだいたい同じだと思います。これは、各地域と産地との昔からの関係性によって、地域ごとに根づいた産地がある程度決まっているから。トライアルでも、各地域で長く親しまれている産地のみかんをお届けするようにしています。
例えば、神奈川県や埼玉県なら、愛媛県のみかん。栃木県の宇都宮など北関東は和歌山のみかんが主流です。東北地方は、長崎県のみかんがよく出回っていますね。
ちなみに、長崎のみかんは四国地方のみかんに比べて知名度が低めですが、実はブランドみかんも多い穴場なんですよ。
なお、九州地方ではすべての県でみかんを生産しているので、九州のトライアルではすべてご当地みかんを扱っています。
みかんの収穫量が多めの「表年」、少なめの「裏年」って?
「今年は表年(おもてどし)だから、みかんが安い」「裏年(うらどし)で数は少ないけど甘いみかんができた」――そんな話を聞いたことはありませんか?
みかんの果実が成った枝には、植物ホルモンが働いて果実が成るのを邪魔するため、翌年は花も実も成りません。また、たくさん果実が成った後の木は、栄養分になる糖を蓄えられないことも、花や実が減る原因のひとつ。
つまり、収穫後、みかんの木がまた実をたくさんつけるための体力を回復するのに時間がかかるので、みかんの収穫量の多い・少ないが交互にやってくる…というわけです。
ただ、農家さんたちは裏年と表年の差を縮めて収穫量の差をなくすため、不要な実を取り除いたり、つぼみや花を摘んだりといった地道な対策をしています。毎年、おいしく食べているたくさんのみかんには、そうした農家さんの努力と創意工夫が詰まっているのです。
冬場のみかんは常温保存が基本。傷んだみかんは必ず取り除こう
みかんを買ったら、最初に確認したいのが「傷んだみかんがないかどうか」。袋にたっぷり詰まったみかんや、箱入りのみかんを買ったときは、一つひとつ手に取って状態を確かめましょう。
輸送中、あるいはお店に並んでいるあいだに、何らかの理由で押しつぶされたり傷がついたりすると、外皮から細菌やカビが生える原因になります。
ひとつでも傷んだみかんが混じっていると、健康なみかんもあっという間に腐ってしまうので、必ず見つけ出して捨てるようにするのがポイントです。
みかんの保存期間は、寒い時期なら常温で2週間程といわれますが、保存期間が長引くほど傷むリスクも高まるので、なるべく早く食べ切るのがおすすめ。
5日以内に食べ終わる量を目安に買って、暖房が効いていない風通しの良い場所に置いておき、できるだけ早く食べきります。
長めに保存する場合は、3日に一度は全体をチェックして、傷んだみかんを早期に発見して取り除いてくださいね。
常温で冷気を保てる場所がなかったり、少し長めに置いておきたかったりする場合、冷蔵庫の野菜室も◎。
ただし、庫内は乾燥しやすいので、数個ずつポリ袋にいれるか、キッチンペーパーでひとつずつ包んでから保存してください。ヘタを下にして置いておくのも有効です。
みかんは健康効果も抜群!お手頃価格のトライアルでチェックを
みかんには、肌荒れや風邪の予防に効果があるビタミンCをはじめ、さまざまな栄養素がたっぷり含まれています。風邪を引きやすい寒い時期にみかんを食べることには、合理的な理由があるのですね。
みかんが旬を迎える時期、トライアルではそのとき一番おいしいみかんを販売していますので、ぜひ手に取ってみてください。