鉄フライパンのお手入れ方法|油ならしの手順やメンテナンス方法も
肉などを香ばしく焼き上げられる調理器具として人気がある、鉄フライパン。
長く使い続けられることも魅力のひとつです。
とはいえ、正しい手入れ方法を知らないと、焦げつきや錆が発生する原因になってしまうことも。
鉄フライパンの扱い方をよくわからずに使っていて、「なんだか焦げつきやすいけど、どうすればいいのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、鉄フライパンの特徴から基本的なお手入れ方法や焦げつきへの対処法、寿命の目安、長持ちさせるポイントまで、料理家の樋口直哉さんに詳しく教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

樋口直哉
作家・料理家。1981年東京生まれ。服部栄養専門学校卒業後、料理教室助手、フレンチレストラン勤務を経て、料理研究家に。科学的な考え方から、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。『読むだけで料理がうまくなる本』(オレンジページ)『料理1日目』(光文社)など著書多数。
トライアルでの販売価格
鍋でも使えるIH深型フライパン24cm…本体価格898円(税込987円)
※2026年2月 メガセンター八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
鉄フライパンの基礎知識

鉄フライパンを上手に使うためには、まず基本的な特徴や種類を知っておくことが大切です。
鉄フライパンのメリットやデメリットを理解しておくことで、使い始めてからのトラブルを防ぎやすくなります。
鉄フライパンの特徴
鉄フライパンは蓄熱性が高く、食材を入れても温度が下がりにくいのが特徴です。
強い火力で一気に調理できるため、炒め物や肉料理を香ばしく仕上げられます。
また、使い込む程油が馴染みやすくなり、焦げつきにくくなります。
金属製のヘラが使えるなど、耐久性が高い点もメリットです。
一方で、重さがあることや錆びやすいこと、お手入れが必要なことなどがデメリットとして挙げられます。
鉄フライパンの種類
鉄フライパンは、主に「鋳物」と「鍛造」の2種類に分けられます。
鋳物フライパンは厚みがあり、より蓄熱性が高いのが特徴です。ステーキなど、じっくり火を通す料理に向いています。
鍛造フライパンは鉄板を叩いて作られており、鋳物より軽く扱いやすいのが特徴です。日常的な炒め物などに使いやすいタイプといえるでしょう。
また、鉄フライパンの持ち手の素材や形状によっても使い勝手が変わるため、購入時には重さと持ちやすさも確認すると安心です。
「鉄フライパンを使ったら料理を焦がしてしまった」という声をよく聞きます。
たしかに鉄フライパンは、タンパク質や糖分を含む食材を高温で加熱すると焦げますし、でんぷん質を含む食材はくっつきやすい傾向があります。
しかし、鉄フライパンで上手に焦げ目をつけられれば、焼色がおいしさにつながります。
そこで、鉄製フライパンと焦げつきにくいフッ素樹脂加工フライパンの2つを持っておいて、焦げ目をつけたいステーキは鉄製フライパンで、焦げつきやすいホットケーキはフッ素樹脂加工フライパンで焼くというように、料理に合わせて使い分けするのもおすすめですよ。
鉄フライパンに必要な油ならしの手順と熱するときの注意点
鉄フライパンは、使い始めの準備がとても重要です。
そのまま使うと食材がくっついてしまうため、最初に空焼きと油ならしを行う必要があります。
油ならしの手順と熱するときの注意点について、詳しく見ていきましょう。
使い始め・調理前に必要な油ならしの手順
新品の鉄フライパンは、空焼きと油ならしが必要です。
空焼きは鉄フライパンを中火にかけ、全体に青みがかったり灰色になったりするまで空焼きし、それから水洗いすることで錆止めを取り除く作業です。
ただし、中には錆止めを使用していないフライパンもあるので、行う前に説明書をよく確認するようにしましょう。
油ならしとは、鉄フライパンの表面に油膜を作り、焦げつきや錆を防ぐための作業です。
油ならしの手順


1. 鉄フライパンを中火にかけ、十分に熱する。鉄板の上に手をかざし、熱くて3秒以上はかざせない(180℃)程度まで熱するのが目安。

2. 鉄フライパンが十分温まったら弱火にし、大さじ1の油を入れる。


3. 鉄フライパンを傾けながら、全体に油をよく馴染ませる(フライパンから煙が出るようであれば火を止める)。火から外すと、鉄板の表面に筋が入るのが、油がよく馴染んだサイン。


しっかり油ならしをした鉄フライパンであれば、くっつきやすい卵を焼いても、まったくくっつかないことがわかります。
なお、この油ならしは、鉄フライパンでの調理前に毎回行います。
そうすることで鉄フライパンに食材がくっつかず、上手に焼けるのです。
ちなみに、鉄フライパンでの調理前には、多めの油を入れて熱する「油返し」を行う必要があるともいわれますが、この油ならしを行えば油返しは必要ありません。
油返しは油ならしより大量の油が必要となるため、家庭で使うフライパンであれば、油ならしでいいでしょう。
調理前に油ならしをするほうが、少ない油で手軽にできますよ。
油ならしに使う油は、サラダ油や米油、菜種油などがおすすめで、オリーブオイルは油膜ができにくいため向いていません。
鉄フライパンを熱するときの注意点
鉄フライパンを使うときは、全体を十分に予熱することが大切です。
フライパン全体を温めてから油を入れることで、焦げつきを防ぎやすくなります。
また、鉄フライパンは油をやや多めに使うのが調理のポイントです。
特に、使い始めはフライパンに油が馴染んでいないため、油を控えすぎると焦げつきやすくなります。
なお、高温の油が馴染んでいるフライパンは、食材に水分がついていると跳ねやすくなるので、洗った野菜の水気や肉汁などはキッチンペーパーで拭き取ってから入れましょう。
鉄フライパンを使った後のお手入れ方法
鉄フライパンは使用後のお手入れが重要です。正しい洗い方と焦げつきが発生した場合の対処方法を知ることで、長く使い続けられます。
ここでは、鉄フライパンを使った後の基本のお手入れ方法と、トラブル時の対処法をご紹介します。
使った後に洗う方法
鉄フライパンの使用後に洗う方法として、洗剤を使わずにお湯とたわしで洗う方法と、洗剤で洗う方法があります。
洗剤を使わずに洗う方法は、鉄フライパンの表面に油膜を残すことで、次に料理をするときにくっつきにくくなります。
ただし、この方法だと、鉄フライパンを使わずに置いているとき、ほこりなどの汚れが油膜にくっついてしまうこともあるので、衛生面を考えるなら、洗剤で洗ってしっかり乾かし、調理前に油ならしする方法もおすすめです。
洗剤で洗うので鉄フライパンの表面に油膜はできませんが、使う前に毎回油ならしをすることで、熱した際に食材がくっつかず焦げつきもしません。
焦げつきが発生した場合の対処方法

毎日、鉄フライパンで料理をしていると、油ならしをしても焦げついてしまうこともあるでしょう。
焦げを残したままだとその部分に油が馴染まないので、次に料理をするときにもくっついてしまいます。
これを「焦げグセ」といい、焦げつきが鉄フライパンの同じ箇所にできるクセのことを指します。
そんな焦げつきを落とす方法をご紹介します。
鉄フライパンの焦げつきを落とす方法


1. 鉄フライパンを中火にかけて熱し、焦げついた部分を完全に焼き切る。
焦げついた部分が完全に茶色く焼けたら、かなり高温になっているため、鉄フライパンをしばらく置いて冷ます。


2. ぬるま湯を流したわしでこすりながら、鉄フライパンの焦げつきを洗い流す。
なお、洗う際は、鉄フライパンの表面だけでなく、側面や裏面も忘れずに。

3. 鉄フライパンを洗い終えたら、表面の水気がなくなるまで中火にかけて、よく乾かす。
焦げの種類によってはぬるま湯で洗っただけでは、なかなか落ちない場合もあります。
そのようなときは、次のような対処法を試してみましょう。
鉄フライパンの焦げグセを取る方法


1. 鉄フライパンに塩を大さじ1程度入れて、茶色くなるまで中火で1~2分炒める。

2. 炒めた後に少し置いて冷めたら、焦げグセができる部分にスポンジで塩をよくこする。
3. 塩で焦げつきをこすり落としたら、鉄フライパンの全体をぬるま湯で洗い、乾くまで中火にかける。
塩を研磨剤代わりに使用することで、鉄フライパン表面の焦げつきを効果的に落とせます。
なお、鉄フライパンの表面が錆びてしまった場合には、サンドペーパーで錆びた部分を地金の部分が見えるまで削り落としたら、水洗いし、火にかけて乾かします。
鉄フライパンの寿命の目安と長持ちさせるポイント
鉄フライパンは、正しく手入れすれば長く使える調理器具です。
ただし、使い方によっては、寿命が短くなることもあります。
ここでは、鉄フライパンの買い替え時期や、長持ちさせるためのポイントをご紹介します。
鉄フライパンの寿命の目安と買い替え時期
鉄フライパンは適切に手入れすれば半永久的に使えるともいわれます。
ただし、持ち手の破損、深刻な錆の発生や変形がある場合には、買い替えも検討しましょう。

鉄フライパンを長持ちさせるためのポイント
洗剤の多用や水分を残したままの放置は、鉄フライパンの寿命を縮める原因になります。
また、強い衝撃や無理な力での使用も、鉄フライパンが変形や破損を招くため、注意が必要です。
これらを避けることで、鉄フライパンを長く使い続けられます。
使用前には毎回油ならしを行うとともに、使用後はすぐに洗い、完全に乾燥させることを習慣にしましょう。
また、鉄フライパンは湿気に弱いため、湿気の多い場所を避けて保管することも、錆防止につながります。
調理後に残った料理をそのまま鉄フライパンに放置するのは、鉄フライパンが傷むので止めましょう。
残った料理を鉄フライパンから取り出して別の容器に入れ替えて保存することで、錆の防止にもつながります。
自分のスタイルに合うフライパンを選んで快適に料理しよう!

鉄フライパンは、正しい手入れを行うことで長く使える調理器具です。
調理前の油ならしや適切なお手入れを続けることで、焦げつきや錆を防げます。
ただし、毎回の油ならしなど、鉄フライパンのお手入れが面倒という人は、手軽に使えるフッ素樹脂加工のフライパンもおすすめです。
フッ素樹脂加工のフライパンであれば、買ってすぐに使い始められ、少量の油でも食材はくっつかず、焦げつきもしないため、楽に使えるでしょう。
トライアルでは、柄を持って調理しても疲れない軽量のものから、深型で鍋やスープを作るのに便利なものまで、さまざまなフライパンを取りそろえています。
自分のスタイルに合うフライパンを選べば、もっと料理を楽しく快適に行えますよ!

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