
大根に含まれる栄養素とは?消化を助ける辛み成分についても解説
煮たり炒めたり、すりおろしたりと、さまざまな調理法でおいしく食べられる大根。
年間を通じて出回っているので、もう1品欲しいときに重宝しますよね。
低カロリーで栄養豊富なのも大根のうれしいポイントですが、水分が多いことから「栄養がない」と誤解されることもあるようです。
そこで今回は、消化を助ける辛み成分をはじめとした大根のさまざまな栄養素と効能、おすすめの食べ方について、管理栄養士の清水加奈子さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
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トライアルでの販売価格
大根(1本)…129円(税込)
※2024年12月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
大根に含まれる主な栄養素

低カロリーでヘルシーな大根には、イソチオシアネート以外にもビタミンCやカリウム、食物繊維といった体にうれしい栄養素がたっぷり含まれています。
健康にも美容にも役立つ大根の栄養素について、次で見ていきましょう。
ビタミンC:活性酸素を取り除く
ビタミンCには、活性酸素を除去する作用があるといわれています。
活性酸素とは、増えすぎると老化や生活習慣病の原因になる物質ですが、白血球から産生される活性酸素は体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担います。
ビタミンCを継続的にとることで、活性酸素の過剰な増加を防ぐことができるでしょう。
カリウム:余分な水分を排出する
カリウムは、体内の余分な水分やナトリウムを排出し、塩分のとりすぎの防止が期待できます。
多くの食品に含まれており、バランスの良い食事をしていれば十分にとることができますが、不足すると脱力感、食欲不振、精神的な不安定さなどにつながることがあります。
食物繊維:腸内環境を改善する
人間の消化酵素で分解されない食物繊維は、大腸まで達して腸内細菌のエサになり、腸内環境を改善することで知られる栄養素です。
ジアスターゼ(アミラーゼ):でんぷんを分解し、胃酸分泌をコントロールする
大根に含まれるジアスターゼは、でんぷんの分解を助ける消化酵素。
胃酸の分泌を調整する作用もあり、市販の整腸剤にも使われています。
β-カロテン(ビタミンA):酸化から体を守る
β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変換され、ビタミンCと同等の抗酸化作用を発揮するといわれる栄養素。
目や皮膚、粘膜を健康に保ち、暗いところでの視力を保つ働きもあります。
ビタミンE:体の機能を維持し、血管を広げる
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、脂肪組織や肝臓で蓄えられ、体の機能を正常に保つ効果が期待できます。
また、血管の収縮を促す神経伝達物質の生成を抑制し、毛細血管を広げる働きもあります。
カルシウム:骨の形成や維持を助け、神経の興奮や緊張を抑える
カルシウムは人間の体内で骨や歯を構成する重要な成分であり、日々の健康維持に役立つミネラルのひとつ。
骨の形成と維持のほか、神経の興奮や緊張を抑える働きがあることで知られています。

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大根の辛み成分「イソチオシアネート」とは?

大根には、イソチオシアネートという特有の辛み成分が含まれています。
イソチオシアネートは、大根をすりおろしたり、切ったりしたときに細胞が壊れ、酵素と反応して生成され、生成後、約5分で辛味がピークに達します。
30分程待つと辛みが減少して食べやすくなるので、辛みが苦手な人やお子さんは時間を置くのがおすすめです。
より辛みを楽しみたい人は、細かいおろし金を使っておろしましょう。
イソチオシアネートには、酸化を抑える働きがあるとされ、健康維持に役立つとして注目されています。
また、消化を促進したり、口内炎などの炎症を抑えたりして、抗酸化作用も高いため、老化やがん予防への効果が期待できるといわれています。
イソチオシアネートは加熱にも弱いので、効能をしっかり得たいときはピークを逃さず、生のまま食べるのがおすすめ。
大根の栄養素は健康維持に役立つ
大根には、人が心身をすこやかに保って暮らすために必要な栄養素が豊富に含まれています。
例えば食物繊維には、脂質、糖、ナトリウムなどを吸着・排出する働きがあり、食後の糖の吸収をゆるやかにして血糖値の急激な上昇を抑制するため、肥満や脂質異常症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病の予防効果が期待できます。
高血圧の改善には、塩分の主成分であるナトリウムと、余分な水分を排出してむくみを改善するカリウムも役立ちます。
また、ビタミンEの血管拡張作用は、心臓や脳の病気を引き起こす動脈硬化の予防に有用です。
消化を助ける酵素も含まれているため、胃もたれや胸やけが気になる方は大根を日々の調理に活用し、積極的に栄養素を摂取しましょう。
部位によって異なる大根の栄養素
大根は、根と葉で含まれる栄養素に違いがあります。
自分の体に必要な栄養素を理解して、多く含まれている部位を積極的にとることをおすすめします。
大根の根の主な栄養素

大根の根には、主にビタミンCやカリウム、食物繊維、消化酵素が含まれています。
生活習慣病につながる肥満の予防効果に期待する方や、胃の不調に悩んでいる方などは、根を積極的にとりましょう。
大根の葉の主な栄養素

大根の葉には、根の数倍におよぶビタミンCや食物繊維をはじめ、β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンE、カルシウムなどが多く含まれています。
ビタミンCには、免疫力を向上させるほか、しみやそばかすの原因になるメラニンの生成を抑制する働きもあります。
ビタミンAにも、皮膚や粘膜の健康を維持して肌の奥のシミ予備軍に働きかけて予防する効果があるため、美肌の維持に効果的です。
健康的で美しい毎日を送りたい方は、葉も捨てずに食べることをおすすめします。

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大根の栄養素を余さず食べるおすすめの方法
大根の栄養素は、調理法のコツを抑えることで無駄なくとることができます。
生で食べる
大根に含まれるビタミンCやイソチオシアネート、消化酵素のアミラーゼなどは、加熱することで分解されやすくなる栄養素です。
美容効果や抗酸化作用、消化を助ける効果などが欲しい場合は、生のまま食べましょう。

消化酵素やイソチオシアネートは、加熱だけでなく空気にふれることでも次第に分解が進みます。
30分後にはかなり栄養素が消失してしまうので、サラダでも大根おろしでも、食べる直前に調理すると良いですね。
大根おろしは、昔からてんぷらなどの薬味に使われることからもわかる通り、消化酵素を多く含んで消化を助けてくれますよ。
皮や葉を活用する
大根の皮には、身の約2倍にあたるビタミンCのほか、栄養素が豊富に含まれています。
大根の葉の部分も非常に栄養素が豊富なので、調理法を工夫して捨てずに食べましょう。

皮は漬物、炒め物などにすると良いでしょう。
葉はごま油などでよく炒めてから醤油で味をつけ、ふりかけのようにして食べるとおいしいですよ!
切り干し大根で食べる
切り干し大根は、大根を細長く切って天日干しし、水分を抜いたもの。
生の大根とは違う歯応えがあり、うま味と栄養素が凝縮されています。

切り干し大根にすると水分が飛び、鉄分やミネラルなどの栄養素がぐっと増加します。
短時間で味が染みるので、時間がないときにも便利です。
洗濯用のピンチなどにピーラーで薄く切った大根をぶら下げておくと簡単に自家製の切り干し大根ができるので、ぜひ試してみてください!

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大根は栄養たっぷり!調理のコツを抑えて栄養素を逃さず食べよう

栄養がないといわれることもある大根ですが、健康や美容に役立つ栄養素がたっぷり含まれています。
根だけでなく葉や皮にも特徴的な栄養素が豊富なので、丸ごと1本を上手に使い分けて食べましょう。
トライアルの野菜売り場では、新鮮な大根がお手頃価格で販売しています。
お買い物の際には、ぜひお立ち寄りください!

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