大根の下茹で方法――基本のひと手間でおいしく仕上がるレシピも紹介
大根を使うメニューのレシピでよく見かける工程に「下茹で」があります。
「下茹でをしなくても食べられるのに、わざわざする必要があるの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
フードコーディネーターの清水加奈子さんによれば、大根は下茹でのひと手間で仕上がりがまったく変わるとのこと。
そこで今回は、基本的な大根の下茹で手順や、レンジでもできる下茹で方法のほか、大根を下茹でする理由について清水さんに教えていただきました。
下茹でをすることでよりおいしく仕上がる大根のレシピも併せて紹介しますよ!
教えてくれたのはこの人!
清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
目次
トライアルでの販売価格
大根(1本)…129円(税込)
※2023年12月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期によって変動します。
大根の下茹での仕方
さっそく、大根の下茹での手順を見ていきましょう。
1. 大根を輪切りにする
用途に合わせて大根の厚さを決め、輪切りにします。
大根の厚さの目安
2. 皮を厚めにむき、面取りする
大根の皮の近くを通っている繊維は、下茹でしても残ります。
食べたときの食感を良くするために、皮を厚くむいて繊維を取り除きましょう。
さらに、大根の切り口の角を削り取る「面取り」をすれば見た目も美しく、煮崩れ防止にも◎。
3. 十字に隠し包丁を入れる
大根の片面に、1cm程度の深さで十字の切り込みを入れます。
隠し包丁を入れることで、火の通りが良くなって短時間で味がよく染み込みます。
4. 米のとぎ汁で大根を茹でる
大根を鍋に入れ、大根がかぶるくらいの米のとぎ汁を注ぎ、加熱します。
なぜ米のとぎ汁を入れる必要があるのかは、後程詳しく説明しましょう。
米のとぎ汁がなければ、大根がかぶるくらいの水を入れ、生米大さじ1、もしくは片栗粉小さじ1を加えてから火をつけてください。
鍋がコトコト鳴るくらいの火加減を保ち、竹串がすっと通るくらいまで5~15分煮てください。
火が通るまで時間がかかる根菜類は、熱湯から煮ると中まで火が通らないうちに表面だけが煮崩れます。
そのため、必ず水からゆっくり煮ていきましょう。
レンジを使った時短の下茹で方法
忙しいときや、ほかの料理でコンロがふさがっているときは、レンジを使って下茹でをすることもできます。
基本的な準備は、通常の下茹でと変わりません。
レンジを使った大根の下茹で方法
1. 大根を適当な厚さに切り、面取りと隠し包丁を済ませる。
2.「1」を耐熱ボウルに入れ、大根がかぶるくらいまで米のとぎ汁を注ぐ。米のとぎ汁ではなく生米を使う場合は、先に生米を入れてから大根をのせ、かぶるくらいの水を注ぐ。
3.「2」にふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで10分加熱する。大根に竹串がすっと通るまで、様子を見ながら加熱時間を30秒ずつ追加していく。
大根を下茹でする理由
大根は、そのままでもおいしく食べられる食材ですが、煮物やおでんなどにするときは、あらかじめ下茹でしておくのが◎。
では、なぜ下茹でをする必要があるのでしょうか?その理由は大きく2つあります。
辛味やえぐみが抜ける
大根は、収穫する時期や部位によって味が異なります。
旬を迎える冬は、大根が最も甘味を増す時期。
これは、気温が低下して大根の細胞の中を凍りにくくし、その細胞の中に糖分を貯め込むからです。
一方、夏場はこうした作用がなくなり、辛味成分「イソチオシアネート」が増えて全体の辛味が増します。
イソチオシアネートは先端部分に多く含まれているため、季節に関係なく、大根は上部ほど甘く、下部ほど辛いのも特徴です。
大根を下茹ですると、辛味や苦味、渋味がアクとして取り除かれるため、大根本来の甘味が感じられるようになります。
すると、調理時の味付けが活きて、料理全体のおいしさが引き立ちますよ。
味の染み込みが良くなる
大根は、細胞と細胞をくっつける接着剤の役割を担うペクチンなどで構成される細胞壁を持っています。
大根の表面が硬いのは、その細胞壁に守られているから。
ペクチンは湯水に溶けやすく、加熱すると分解する性質があります。
そのため、下茹でをすることで細胞同士つながりがゆるみ、細胞がやわらかくなることによって、味が染み込みやすくなります。
下茹でをしないと食べられないということはありませんが、ひと手間かければ雑味が消えて格段においしくなります。
下茹での基本的なやり方を覚えて、いつもよりさらに味の染みた大根を味わいましょう!
大根の下茹でに米のとぎ汁を使う理由
大根を下茹でするときには、米のとぎ汁を使うか、お湯に生米を入れて茹でるのが良いとされています。
これによって期待できる効果は2つあります。
流れ出た苦味やえぐみが大根に戻るのを防ぐ
米に含まれるでんぷんによって、流れ出た苦味やえぐみが大根に戻るのを防ぐことができます。
でんぷんがアクとして出た雑味を吸着し、包み込んでくれるのです。
大根の甘味が増す
大根の下茹でに米のとぎ汁を使うもうひとつの理由は、でんぷんの作用で大根が甘くなること。
大根に含まれる消化酵素と米のでんぷんが反応し、でんぷんが糖に変わることで大根の甘味が増します。
米がなければ、でんぷんを含む片栗粉でも同じ効果があります。
入れる量は、大根1本につき片栗粉小さじ1が目安。
ダマにならないよう、水から入れてよく溶かしてくださいね。
下茹でした大根を使ったおいしいレシピ
最後に、大根を使ったおいしいレシピをご紹介します!
ふろふき大根ひき肉味噌かけ
材料(2人分)
下茹で大根(厚さ3cm)…4個
鶏ひき肉…100g
ごま油…小さじ1
昆布だし…適量
柚子の皮(お好みで)…少々
[A]
水…大さじ3
味噌…大さじ1
醤油…大さじ1
砂糖…大さじ1
作り方
1. 小さい鍋にごま油を熱し、鶏ひき肉を炒める。肉の色が変わったら[A]を加えて煮詰める。
2. 下茹でした大根を昆布だしで温める。
3.「2」を器に盛り、「1」の肉味噌をかける。お好みで千切りにした柚子の皮をのせる。
大根と豚バラ肉のガーリック醤油炒め
材料(2人分)
下茹で大根(厚さ1cm)…4個
豚バラ肉薄切り…150g
ニンニク…1片
輪切り唐辛子…少々
醤油…大さじ1.5
小ねぎ…適量
油…小さじ1
作り方
1. 大根はいちょう切りにする。豚バラ肉は2cm幅に切る。ニンニクはスライスする。
2. フライパンに油を入れ、ニンニクを熱する。香りが立ってきたら豚バラ肉を入れて炒める。豚バラ肉に火が通ったら一度取り出す。
3. フライパンに大根を加え、焼き目がついたら豚バラ肉を戻し入れる。さらに、輪切り唐辛子、醤油を加えて炒める。
4. 器に盛り、小ねぎをかける。
大根洋風おでん(ポトフ)
材料(2人分)
下茹で大根(厚さ2cm)…2個
ブロックベーコン…100g
顆粒コンソメ…小さじ1
水…400ml
塩、コショウ…適量
粒マスタード…適量
パセリ(お好みで)…少々
作り方
1. 下茹で大根を半月型に切る。ブロックベーコンは2cm幅に切る。
2. 鍋に「1」と顆粒コンソメ、水を入れ、10分程煮る。
3. 塩、コショウで味をととのえ、器に盛って粒マスタードを添える。お好みでパセリを散らす。
トライアルの新鮮な大根で、旬食材ならではのおいしさを味わおう
大根は下茹ですることでやわらかくなり、大根本来のおいしさが際立ちます。
下茹でした大根なら、和風の煮物も洋風のポトフも、短時間でおいしく仕上がりますよ。
トライアルでは、そのとき最もおいしいものが採れる産地の大根を、いつでもお手頃価格で販売しています。
ぜひ、トライアルの大根で、さまざまな大根料理にチャレンジしてみてください!
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