
トマトの栄養と効果は?リコピンの吸収を高める食べ方を解説
食卓を華やかにする鮮やかな赤色と、程良い酸味と甘みのバランスが人気のトマト。
生で良し、煮て良しの便利さに加え、リコピンをはじめとした栄養素が豊富で、美容や健康に良い点も魅力の野菜です。
今回は、トマトの栄養素と期待できる効果、おすすめの食べ方などについて、管理栄養士の清水加奈子さんに伺いました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
トライアルでの販売価格
トマト(1個)…69円(税込)
※2024年6月 メガセンター八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
トマトに含まれる主な栄養素は?
トマトは、美容と健康に効果的な栄養素をバランス良く含む食材です。
まずは、特に注目すべきトマトの栄養素をご紹介します。
リコピン(ポリフェノール)など
リコピンは、天然の色素である脂溶性色素カロテノイドの一種。
トマトの赤色の源で、赤く熟しているほどリコピンを多く含みます。
強い抗酸化作用が特徴で、その効力はビタミンEの100倍以上に上るとも。
ビタミン
トマトには、骨や腱、筋肉、血管、皮膚などを作るたんぱく質の合成に不可欠なビタミンCのほか、皮膚や粘膜の強化、夜間の視力の維持に力を発揮するビタミンA、血流を改善するビタミンEなど、多様なビタミンが含まれます。
ミネラル
トマトは、人が健康的に生活するのに欠かせない必須ミネラルのうち、カリウムが豊富。
ミネラルは体の機能を維持・調節する作用がある栄養素、カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがある栄養素です。
体内で生成できないため、食事からとらなければなりません。
トマトを食べることで期待できる効果

続いては、多様な栄養素をとることで期待できる、トマトの健康や美容への効果を見ていきましょう。
健康的で美しい肌を作る
リコピンをはじめ、抗酸化ビタミンといわれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化力は非常に高く、肌の老化の原因になる活性酸素の発生を抑えてシミやしわを予防する働きがあります。
また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける作用があり、ハリのある引き締まった肌を作るのに役立つでしょう。
体調を整える
リコピン、ビタミンA・C・Eに代表される抗酸化物質が活性酸素を除去すると、生活習慣病やがんの発生リスクの低減につながります。
塩分を排出するカリウムの作用に加え、グルタミン酸のうま味で調理時の塩分を減らせるため、血圧を低下させて生活習慣病にかかりにくくする効果が期待できます。
疲れにくい体を作る
トマトの酸味のもとであるクエン酸は、日常生活や運動後に感じる一時的な疲労感の軽減に役立つでしょう。
また、食中・食後の血糖値の急激な上昇を防ぐため、肥満予防や日常生活のパフォーマンス低下の防止にも効果的です。
むくみにくい体を作る
トマトに含まれるカリウムには、余分な塩分を排出するとともに体内の水分バランスを整える働きがあり、むくみを軽減するといわれています。

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トマトの栄養を効率的にとる方法
トマトに含まれるせっかくの栄養素を無駄にしないよう、効率的な栄養のとり方も知っておくことが重要です。
ポイントは、調理方法や選び方にあります。
下ごしらえの際に皮をむかない
トマトの代表的な栄養素であるリコピンは皮に多く含まれているため、なるべく皮をむかずに食べることをおすすめします。
口当たりを良くしたい上品なメニューや、トマトにじっくり味を染み込ませたい場合を除いて、皮はできるだけ残したほうが栄養素をたっぷりとることができます。
油といっしょにとる

リコピンは油に溶けやすい性質があり、良質な油といっしょにとると体内への吸収率が高まります。
下記のような食べ方で、上手に油をプラスしてみてください。
- おすすめのトマトと油の組み合わせ
- オリーブオイルをかけて食べる
- オイル系のドレッシングをかけて食べる
- チーズといっしょに食べる
- トマトソースにチーズを加える
加熱調理して食べる

トマトは、櫛切りや輪切りにしてサラダで食べてもおいしいですが、栄養面では「焼く」「煮込む」「炒める」など、加熱して食べる調理方法が◎。
トマトを加熱すると、細胞壁が壊れてやわらかくなり、栄養素を体にとり入れやすくなります。
熱に弱い水溶性ビタミンのビタミンCは減りますが、食物繊維やビタミンA(β-カロテン)はしっかり残り、特にリコピンは加熱することによって飛躍的に吸収率が高まります。
良質な油を使って加熱調理すれば、「油+加熱」の相乗効果も見込めますよ。
トマトの加工品を使う

加熱料理に使うなら、トマトジュースをはじめ、トマトケチャップ、トマトソース、トマト缶など、加工品を選ぶのもおすすめ。
トマトの加工品は生食用に比べて、元々リコピンの量が多い加工用トマトで作られている上、加熱することによってさらに栄養価が増しています。
しかも、加工時に皮ごと細かく砕いたりペースト状にしたりすることで、加熱した場合と同様に細胞壁が壊れ、栄養を吸収しやすい状態になっています。
一般的なホールトマト缶はだいたい400gで、大玉のトマト4個分に相当します。
生でトマトを食べるよりも、加工品のほうが楽にたくさんのトマトをとることができるでしょう。
ミニトマトを選ぶ

トマトの栄養を重視するなら、ミニトマトを選ぶのもGOOD。
ミニトマトには大玉トマトや中玉トマトと同じ栄養素が凝縮されており、ビタミンC、葉酸、食物繊維、カリウムなどは、ミニトマトのほうが多く含まれています。
完熟トマトであっても、食べすぎは体を冷やし、糖分のとりすぎにつながる可能性があります。
ミニトマトなら1日6粒、大玉トマトなら1日1個くらいを目安にするといいでしょう。
旬のトマトで、日々の栄養素を底上げしよう!

トマトは、健康面からも美容面からもたっぷり栄養を含んだ食材。
下ごしらえや調理法などを工夫して、より効率的に栄養をとりましょう。
トライアルでは、大玉トマトからミニトマトまで、旬のトマトをお手頃価格で販売しています。加工品も充実していますので、毎日の食事づくりにぜひご活用ください。

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