ナスの栄養は夏バテや老化予防に◎!効能やおすすめの食べ方を紹介
夏野菜の代表といえばナス。
さまざまなレシピの主役にも脇役にもなる食材で食べ応えもあり、日頃よく活用している人も多いでしょう。
水分が多いので栄養はないと思われがちですが、管理栄養士の清水加奈子さん曰く、ナスは90%を超える水分量ながら実は栄養価が高いといいます。
そこで、ナスに含まれる栄養素や効能、おすすめの食べ方について教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!
清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
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トライアルでの販売価格
ナス(1袋)…259円(税込)
※2024年7月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
ナスに栄養がないのは嘘!含まれる主な栄養素は?
ナスの約93%が水分ではありますが、残りの約7%の中には健康に良い栄養素が詰まっています。
代表的なものを見ていきましょう。
ミネラル
ミネラルとは、人間が健康を維持するために不可欠な16種類の栄養素で、食物からでしか摂取できず、不足するとさまざまな不調が表れます。
ナスに含まれるミネラルの中で、代表的なものはカリウム、銅、マグネシウム。
カリウムは、余分なナトリウムを排出して高血圧を予防したり、余分な水を排出してむくみを改善したりする効果が期待できます。
また、銅は全身に酸素を運ぶ血中のヘモグロビンの合成、コラーゲンの生成にも関わり、マグネシウムは骨や歯を形成したり、血圧の正常化や筋肉の収縮にも関与したりしています。
ポリフェノール
ほとんどの植物が持つ色素や苦味・渋味などの成分を、ポリフェノールといいます。
ポリフェノールにもさまざまな種類があり、ナスに含まれるのは主にナスニンとクロロゲン酸の2つ。
ナスニンは、ナスの皮にしか含まれない紫色のアントシアニン系色素成分で、抗酸化力があるポリフェノールの中でも特に強いといわれています。
クロロゲン酸は、同じく抗酸化力にすぐれているほか、血中脂肪や体脂肪を減らしたり、血糖値の上昇を抑えたりする効果が期待できます。
食物繊維
実は、思った以上にナスに含まれていると清水さんが語るのが食物繊維。
よく知られているとおり、整腸作用や血糖値の上昇を抑制する働きがあるため、毎日意識的にとっていきたい栄養素です。
ビタミン
ナスにはビタミン類も数種類含まれており、中でも注目したいのがビタミンKと、ビタミンB群の葉酸です。
ビタミンKは脂溶性ビタミンのひとつで、丈夫な骨を作ったり、血栓を予防したりする作用があります。
葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、ビタミンB12と共に赤血球が作られるのを助けます。
ナスを食べることで期待できる効能
ナスには美容・健康面で具体的にどんなメリットがあるのかをご紹介します。
夏バテ予防
エネルギー代謝や細胞の活動には、水分が不可欠。
水分が不足してエネルギーが作り出せなくなったり、細胞の働きが悪くなったりすると、体にさまざまな不調が起こり、疲労を感じやすくなります。
特に夏場は汗をたくさんかくので、いつも以上に水分が失われるほか、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも発汗によって流れ出てしまいます。
そうすると、だるさや食欲不振といった「夏バテ」状態に陥る可能性が高まるため、水分やミネラルがたっぷり含まれるナスはおすすめです。
むくみ、高血圧予防
夏場は冷たいものや水分を多くとったり、クーラーによって体が冷えたりしているため、むくみが気になる人も多いはず。
そこで、むくみの予防・解消に効果が期待できるカリウムを効率的に摂取できるナスを食べることで、むくみづらい体を作ることにつながるでしょう。
また同じくカリウムは、ナトリウムを排出して血圧の上昇を抑える作用があるため、戸内外の温度変化で血圧が乱高下しやすい夏は積極的にとりたい栄養素になります。
老化(シミやしわの発生など)、生活習慣病の予防
ストレスや飲酒・喫煙、紫外線、激しい運動などによって体内に活性酸素が増えると、シミ・しわの発生をはじめとする老化、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を促進するといわれています。
ナスに含まれるナスニンやクロロゲン酸といったポリフェノールは、体内に発生する活性酸素を除去する作用=抗酸化作用にすぐれた成分。
日頃からナスを食べることで、活性酸素による体の酸化を防ぎましょう。
骨粗しょう症予防
骨粗しょう症とは、骨の量が低下することで骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる病気です。
患者数の7割以上は女性で、60代から急増するといわれていますが、それより若い場合でも遺伝や生活習慣の影響で罹患する可能性はあります。
骨を丈夫にするのを助けるビタミンKやマグネシウムが含まれるナスは、健康な骨を保つのを助ける食材といえるでしょう。
ナスはダイエットにおすすめ?
ナスがダイエットにおすすめの食材かどうかは、「食べ方による」といえます。
生のナスは、可食部100gあたり18kcalと低カロリー。
水分量や食物繊維が多いので腹持ちが良く、さらにビタミンがとれる食材なので、ダイエットに向いている食材といっていいでしょう。
ただ、ナスは油と相性が良く、焼いたり炒めたりする際に油を使用すると、スポンジのようにグングン吸収するので、どうしてもカロリーが高くなってしまうのが気になるところ。
そのため、ダイエット時はなるべく油の使用量を抑える調理方法をとるといいでしょう。
例えば、ナスの味噌汁やラタトゥイユ、焼きナス、蒸しナスといったメニューであれば、油を使わないor油の量が少なくて済みます。
また、油を使って焼いたり炒めたりする場合、油を入れて加熱する前に、ナスに油を少量絡めてから火を入れると、油を多く使わずに調理できるのでおすすめです。
ナスの栄養を効率的にとる食べ方と調理方法
最後に、ナスの栄養を効率的にとる食べ方と調理方法をご紹介しましょう。
皮ごと食べる
ナスニンなどのポリフェノールは、ナスの皮に多く含まれているため、皮ごと食べることを意識しましょう。
なお、白ナスや緑ナスといった皮が紫色以外の品種もありますが、それらにはナスニンは含まれていません。
ナスニンの抗酸化作用をとりたい場合は、皮が紫色のものを選ぶようにしてください。
ただし、クロロゲン酸はあくの成分なので、紫色のナスにも含まれます。
水にさらしすぎない
ナスに含まれるナスニンなどのポリフェノールは水溶性のため、水にさらすと溶け出てしまいます。
あく抜きのためにナスを水にさらす際は、5分くらいで十分。
それ以上の時間はさらさないようにしましょう。
また、味噌汁やスープなど、汁ごと食べるメニューであれば気にしなくて構いませんが、炒め物などでナスを加熱調理する際は、皮ごと油でコーティングしてから加熱すると、ナスニンの流出を防ぐことができるのでおすすめです。
油で調理する
ナスに含まれるビタミンKは脂溶性のビタミンなので、調理に油を使うことで吸収率がアップします。
ただし、ナスは油を吸収しやすい食材なので、油のとりすぎには注意が必要。
ダイエット中の場合は、先程も紹介したとおり、蒸し料理や汁物など油を使わないor少量で調理できるメニューを選ぶのがおすすめです。
チーズなどの乳製品と合わせる
ナスにチーズなどの乳製品を合わせて調理することで、ナスに少ないたんぱく質を補給でき、栄養のバランスが整います。
さらに、乳製品と合わせることでナスニンの吸収力がアップするほか、ナスに含まれる食物繊維と乳製品の相乗効果によって、腸内環境を整える効果がより期待できるでしょう。
干しナスにする
ナスを調理する際にひと工夫して「干しナス」にすると、よりおいしくいただけます。
ナスをザルに並べて天日干しにして2~3時間程置き、半干しの状態で水に戻します。
それで煮物や汁物に調理すると、ナスの旨みがアップするほか、水分が抜けるので体が冷えすぎるのを抑える効果も期待できますよ。
トライアルの新鮮なナスで、暑い夏をおいしく乗り切ろう
水分たっぷりで、さまざまな栄養素が含まれるナスは、夏バテ予防や、クーラーによる冷えが原因で起こるむくみの解消、紫外線を浴びることによっても増える活性酸素を除去する効果が期待できるなど、栄養面においても夏に欠かせない食材です。
トライアルでは通年取り扱っている食材ですが、旬の時季はより丸々とした立派なナスが毎日お手頃価格でそろっています。
暑い毎日が続く時期は、ぜひナスをたくさん召し上がってください!
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