体にいい油とは?健康を支える種類と正しい選び方を解説
毎日の料理に欠かせない「油」を選ぶ際、「どれが体にいいの?」「どう選べばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか?
実は、油の種類によって、体への影響は大きく変わります。
中には、血液をサラサラにしたり、生活習慣病の予防に役立ったりする油もあるんです。
今回は、管理栄養士の清水加奈子さんに、油の選び方や使い方について教えていただきました。
体にいい油と悪い油の違いをはじめ、不飽和脂肪酸が持つ健康への働きや特徴、そして目的や調理法に合わせた油の選び方について、解説します。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、国際中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
トライアルでの販売価格
オリーブオイル…本体価格348円(税込375円)~
ごま油…本体価格328円(税込354円)~
※2025年10月メガセンタートライアル八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
体にいい油と悪い油の決定的な違い

私たちの健康に深く関わる油ですが、その良し悪しを分けるポイントは、油の主成分である脂肪酸の種類。
脂肪酸は大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があり、それぞれ体に与える影響が異なります。
脂肪酸の種類と特徴は以下のとおりです。

次は、それぞれの脂肪酸が持つ働きについて、さらに詳しく見ていきましょう。
脂肪酸の違いを知ることで、体にいい油と避けたい油の見極めができるようになります。
不飽和脂肪酸:体にいい働きをする
不飽和脂肪酸は、植物の油や魚の油に多く含まれている脂肪酸で、体に良い働きをする油です。
体内で合成できないものも多く、食事からとる必要がある必須脂肪酸に分類されます。
不飽和脂肪酸が豊富に含まれている油
- アマニ油・魚油(オメガ3系脂肪酸)
- ごま油・大豆油(オメガ6系脂肪酸)
- グレープシードオイル(オメガ6系脂肪酸)
- オリーブオイル(オメガ9系脂肪酸)
飽和脂肪酸:とりすぎに注意したい
飽和脂肪酸は、肉の脂身やバター、ラードなどの動物性脂肪に多く含まれる脂肪酸です。
また、ココナッツオイルやパーム油といった一部の植物性油脂にも多く含まれています。
飽和脂肪酸自体はエネルギー源として体に必要なものですが、過剰にとると血中の悪玉コレステロール(LDL)が増え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを高めるとされています。
実際に、日本人の食生活では、外食や加工食品の利用が多くなることで、知らず知らずのうちに飽和脂肪酸の摂取量が増えている傾向があります。
特に注意したい飽和脂肪酸が含まれる食品
- 肉の脂身やベーコン
- バター、ラード
- ケーキやクッキーなどの洋菓子
- ココナッツオイルやパーム油を使った加工食品
飽和脂肪酸は体内でも合成できるため、必須脂肪酸ではありません。
そのため、意識して摂取する必要はなく、むしろとりすぎないことが健康維持のポイントです。
トランス脂肪酸:最も避けたい
トランス脂肪酸は、健康への悪影響が大きいため、できるだけ避けたい脂肪酸のひとつ。
トランス脂肪酸は、元々液体の植物油に人工的に水素を加えて固形に加工する過程で生まれる油。
この加工は、油の保存性を高めたり、食感をよくしたりするために行われますが、その副産物として、体に悪影響を及ぼす脂肪酸が生まれてしまうのです。
トランス脂肪酸をとりすぎると、悪玉コレステロール(LDL)を増やし、善玉コレステロール(HDL)を減らすことがわかっています。
さらに、心疾患や動脈硬化のリスクを高めるだけでなく、糖尿病や肥満との関連も指摘されています。
トランス脂肪酸が含まれている主な食品
・マーガリンやショートニング
・スナック菓子、ケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子類
・冷凍食品や加工食品の一部
特に注意したいのが、原材料表示にある「加工油脂」「ショートニング」という表記。
これらはトランス脂肪酸を含む可能性があるため、できるだけ避けるようにしましょう。
自然界にも少量のトランス脂肪酸は存在しますが、問題となるのは人工的に作られたトランス脂肪酸です。
【種類別】体にいい油(不飽和脂肪酸)の働きと特徴
不飽和脂肪酸にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる働きがあります。
オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸といった分類で呼ばれており、油の種類によって含まれる脂肪酸のタイプが異なります。
なお、この記事でいう「体にいい油」とは、厚生労働省や各種研究で健康維持に役立つとされている不飽和脂肪酸を多く含む油を指しています。
医薬品のように特定の病気を治すものではありませんが、日々の食生活のなかで体に負担をかけにくい、より望ましい油という意味で使っています。
ここでは、体にいい油として注目されている3つの系統に分けて、それぞれの特徴や健康効果について見ていきましょう。
オメガ3系脂肪酸:あらゆる生活習慣病を予防し、脳機能を高める
オメガ3系脂肪酸は、アマニ油やえごま油、青魚の油などに含まれる体に必要な脂肪酸。
代表的な成分には、α-リノレン酸(植物由来)や、DHA・EPA(魚由来)があります。
血液をサラサラにし、中性脂肪を減らすなど、生活習慣病の予防に役立つ働きがあります。
さらに、脳や神経の健康を支える栄養素としても注目されており、日々の食事に取り入れたい成分です。
熱に弱いため、サラダやスープにかけるなど、加熱せずに使うのが基本です。
オメガ6系脂肪酸:炎症を抑えて肌や髪の健康を保つ
オメガ6系脂肪酸は、リノール酸などを含む脂肪酸のひとつ。
ごま油・大豆油・コーン油・グレープシードオイルなどに多く含まれます。
肌のバリア機能やホルモンの調整に関わるなど、体にとって欠かせない働きを持っています。
オメガ6系脂肪酸は、現代の食生活ではとりすぎになりやすく、オメガ3系脂肪酸とのバランスを取ることが大切です。
オメガ9系脂肪酸:悪玉コレステロールを減らす
オメガ9系脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸の一種で、代表的な成分がオレイン酸です。
オリーブオイルや米油、なたね油などに含まれています。
この脂肪酸には、悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HDL)は保つ働きがあります。
酸化に強く、加熱にも向いているため、炒め物など日常の調理にも使いやすいのが特徴です。
トライアルで買える体にいい油4選
体にいい油を意識して取り入れるなら、毎日使いやすくて、続けやすいものを選ぶことが大切です。
ここでは、トライアルで購入できるおすすめの油を4種類紹介します。
オリーブオイル:加熱にも生でも万能

オリーブオイルは、オメガ9系脂肪酸のオレイン酸が豊富で、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
酸化しにくいため、加熱調理にも生食にも使える万能油として非常に人気です。
炒め物やパスタに使ったり、パンにつけて食べたりするなど、どんな料理にも取り入れやすく、香りの良さも特徴のひとつ。
特にエキストラバージンオリーブオイルはポリフェノールが豊富で、抗酸化作用も期待できます。

オリーブオイルにはどんな効能がある?摂取方法と選び方を紹介
アマニ油・えごま油:ドレッシングや和え物に

アマニ油やえごま油は、オメガ3系脂肪酸を豊富に含む油で、現代人に不足しがちな栄養素を補うのにぴったりです。
ただし、熱に弱く酸化しやすいため、加熱せずにサラダや納豆、スープなどにかけて使うのが基本です。
小瓶で販売されていることが多く、冷蔵保存が必要なので、少量ずつ使い切るのがコツ。
クセが少なく取り入れやすいのも魅力です。
米油・なたね油:揚げ物・炒め物がおすすめ

米油やなたね油は、加熱に強く、クセが少ないのが特徴。
揚げ物や炒め物に使っても、素材の味を引き立ててくれます。
米油には、ビタミンEやγ-オリザノールといった抗酸化成分が含まれており、健康維持にも役立ちます。
軽やかな仕上がりになるため、油っぽさが苦手な方にもおすすめです。
ごま油:風味付けや香りづけに

ごま油は、料理の仕上げに少量加えるだけで、香ばしい風味が広がるのが魅力。
炒め物などの加熱調理にも使えますが、香りを活かしたい場合は、料理の仕上げに最後に回しかけるのが効果的です。
さらに、抗酸化成分のゴマリグナンやビタミンEも豊富に含まれており、美容やアンチエイジングを意識する方にもぴったりです。
「サラダ油」は選び方に注意

サラダ油は、複数の植物油をブレンドして作られている油で、加熱にも使いやすく万能なイメージがありますよね。
しかし、商品によっては酸化しやすい成分が多く含まれていたり、乳化剤などの添加物が入っていたりすることもあります。
「ヘルシー」や「オフ」といった表示があっても、実際には複数の油をブレンドしていたりするため、イメージに惑わされず、原材料表示を確認して選ぶことが大切です。
体にいい油の効果を最大限に活かすポイント
体にいい油を取り入れても、使い方や保存方法を間違えると、栄養が損なわれたり、酸化してしまったりすることもあります。
ここでは、健康効果をしっかり実感するために知っておきたい、油の使い分けや保存のポイントをご紹介します。
加熱用と生食用で使い分ける
油は、加熱に強いものと弱いものを使い分けることが大切です。
例えば、アマニ油やえごま油は熱に弱く、加熱せずにそのまま料理にかけて使うのが基本。炒め物などに使うと、栄養が壊れてしまう可能性があります。
一方、オリーブオイルや米油、ごま油は、加熱に比較的強く、炒め物や揚げ物にも適しています。
料理の種類に応じて使い分けることで、油の栄養価をしっかり活かすことができるでしょう。
オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸系の摂取バランスを意識する
油は、ただとるだけでなくどの種類をどれくらいとるかも重要です。
オメガ6系脂肪酸は、大豆油やサラダ油、加工食品に多く含まれており、気づかないうちに過剰になりがちです。
一方で、アマニ油・えごま油・青魚などに含まれるオメガ3系脂肪酸は、意識しないと不足しやすい傾向があります。
理想的な摂取バランスは、オメガ3系脂肪酸1に対して、オメガ6系脂肪酸を2〜4の割合でとることが望ましいとされています。
ラベルを確認したり、食事に青魚や植物性オイルを加えたりするなど、意識的に取り入れていきましょう。
品質を保つなら遮光瓶を選ぶ
油の酸化を防ぐには、保存方法と容器選びがポイントです。
特にオメガ3系の油は酸化しやすく、光・熱・空気にふれると劣化が進みやすくなります。
そのため、開封後は冷蔵庫で保管し、1〜2ヵ月以内を目安に使い切ることが望ましいです。
購入時には、遮光瓶やアルミパウチなど、光を通さない容器を選ぶと安心。
また、開封後はフタをしっかり閉め、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。
健康な食生活にトライアルの油を取り入れよう

健康のために油を見直すなら、まずは毎日使う油から少しずつ変えてみることが大切です。
体にいい油の基本は、動物性脂肪や加工食品に多く含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えめにし、植物性や魚由来の不飽和脂肪酸をバランスよく取り入れること。
トライアルでは、種類豊富な油がそろっています。まずは気になる1本を手に取って、毎日の食事に取り入れてみましょう。
食卓に体にいい油をプラスして、無理なく続けられる健康習慣を始めてみませんか?

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