油の正しい捨て方4選!状況別の処理方法や再利用術を解説
調理後に残った揚げ油や炒め油を前に、「どう捨てればいいんだろう」と迷ったことはありませんか?
シンクに流すのはNGとわかっていても、代わりの方法がわからず困ってしまうこともありますよね。
実は、油には状況に応じた正しい処理方法があり、家庭でも簡単に実践できます。
今回は、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、家庭で実践できる油の処理方法について教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、国際中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
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やってはいけない油の捨て方とは?NGな理由を解説
調理後に残った油を、そのままシンクに流してしまっているという人はいませんか?
一見楽に見える方法ですが、これは絶対にやってはいけない油の捨て方です。
排水トラブルだけでなく、環境への悪影響や火災のリスクにつながってしまうこともあります。
ここでは、家庭で絶対に避けたい油の捨て方と、その理由について説明します。
シンクやトイレに流すのはNGな理由
使い終わった油をシンクやトイレに流すのは絶対に避けましょう。
冷えた油は排水管の中で固まりやすく、詰まりや悪臭、逆流の原因になります。
これが悪化すると、排水管の交換やクリーニングが必要になるなど、高額な修理費が発生することも…。
また、油は水に溶けず、下水処理でも分解されにくいため、そのまま川や海に流れ出ると水質汚染の原因になります。
油は微生物にも分解されにくく、水中の生き物や生態系に悪影響を与える可能性もあります。
土や排水溝に捨てるのもNGな理由
庭の土に染み込ませれば大丈夫と思う人もいるかもしれませんが、これも避けるべき処理方法です。
油が土に染み込むと、通気性や保水性が損なわれ、微生物の活動が弱まることで、植物の育ちにも悪影響を及ぼします。
さらに、酸化した油には独特のにおいがあり、コバエやゴキブリなどの害虫を引き寄せる原因になることも。
屋外の排水溝に流した場合も同様のリスクがあり、近隣とのトラブルにつながる可能性もあります。
また、油を吸わせた紙類や布を、直射日光が当たる場所に放置するのも危険です。
酸化した油は自然発火するおそれがあり、火災リスクが高まります。
油を含んだゴミは、しっかり密閉して、日光の当たらない場所で保管しましょう。
家庭でできる正しい油の捨て方4選
油は可燃ごみとして処理できますが、環境への配慮や安全性を考えると、状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここでは、自宅でできる4つの油の捨て方と、それぞれの手順を紹介します。
【再資源化】自治体の回収に出す
もっとも環境にやさしい方法が、使用済み油を自治体の回収に出すという手段です。
多くの自治体やスーパーでは、植物性の食用油を回収して、バイオディーゼル燃料や石けんなどにリサイクルする取り組みが行われています。
手順
1. 油が冷めたら、揚げカスはできるだけこして取り除く
2. ペットボトルや油の空き容器に移す

3. フタをしっかり閉め、指定の回収ボックスへ持参
なお、回収の対象となるのは、サラダ油・菜種油・大豆油などの植物性の油のみです。
ラードなどの動物性油や、調味料が混ざった油(ドレッシングやラー油など)は回収不可なので注意してください。
回収場所や曜日、出し方のルールは地域によって異なるため、事前にお住まいの自治体のホームページなどでご確認を。
【簡単】市販の油凝固剤で固めて捨てる
もっとも手軽で初心者にもおすすめなのが、油凝固剤を使って油を固める方法です。
スーパーやドラッグストアなどで簡単に手に入るため、用意しやすいのも魅力。
手順
1. 使用後の油が80℃前後に冷めたら、凝固剤を投入

2. よく混ぜて、そのまま冷まして固める

3. 固まったら、新聞紙やポリ袋に包んで可燃ごみに出す

凝固剤には様々な種類があり、製品ごとに使用量や投入タイミングが異なるため、パッケージの表示を必ず確認して使いましょう。
【身近な道具で】牛乳パックに紙類を詰めて捨てる
市販の凝固剤が手元にないときでも、牛乳パックと紙類を使えば油を安全に処理できます。
家にあるものだけで完結できるため、コストをかけずに試せるのもメリットです。
手順
1. 牛乳パックにポリ袋をセット
2. 新聞紙やキッチンペーパーを詰める

3. 冷ました油をゆっくり注ぐ

4. しっかり封をして、可燃ごみに出す
牛乳パックは厚みがあり、油が漏れにくいため処理後も安心です。
牛乳パックの代わりにポリ袋でもOKですが、自治体によってはポリ袋の使用が禁止されている場合もあるので、対応ルールを事前にチェックしておきましょう。
【少量処理に便利】片栗粉や小麦粉で固めて捨てる
ほんの少しだけ残った油を処理したいときに便利なのが、片栗粉や小麦粉を使った方法。
専用アイテムがなくても、すぐに対応できる応急処置として覚えておくと便利です。
手順
1. まだ温かい油に、片栗粉または小麦粉を同量加える

2. よく混ぜて、ペースト状にする

3. 冷めるころにはドロッと固まるので、紙に包んで可燃ごみに出す
ただし、この方法はあくまで少量の処理向けです。
大量の油を処理するのには不向きで、自治体によっては認められていない場合もあるため、事前に確認しましょう。
再利用はおすすめしない?酸化による健康リスクと対策
一度使った油を見ると、「もう1回くらい使えるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
実際、状態の良い油であれば再利用は可能ですが、健康や安全面から考えると、基本的にはおすすめできません。

油は一度加熱されると酸化が進みやすくなり、劣化した油を繰り返し摂取することで健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、酸化した油は体内で炎症や生活習慣病の原因になるといわれており、多量・継続的に摂取することは避けるべきです。
油の劣化サイン
・色が濃くなる
・粘りやにおいが強くなる
・冷えたときにドロッと固まる
・揚げているときに泡立ちが多く、なかなか消えない
揚げカスをこまめに取り除く、野菜中心の揚げ物に使うなど、工夫すれば2~3回程度は再利用可能ですが、できるだけ早く使い切るのが基本です。
トライアルで道具をそろえて、今日から正しい油の捨て方を始めよう
使い終わった油は、シンクに流さないことが鉄則。
油の状態や量に合わせて、回収に出す、固める、吸わせるなどムリなく実践できる方法を取り入れてみましょう。
市販の凝固剤や紙ごみ、牛乳パックなど、身近な道具で手軽に処理できます。
もっとスムーズに油処理をしたい方は、専用アイテムをそろえるのがおすすめです。
例えば、油凝固剤やじょうご、ポリ袋などがあると、手間もゴミの漏れも減らせて◎。
トライアルでは、油の処理や再利用に役立つアイテムがまとめて手に入るので、これから始めたい方にもぴったり。
毎日の料理後の片付けをラクに、安全にするために、ぜひチェックしてみてください。

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