

レンコンのアク抜きは必要?目的別の正しい方法を解説
レンコンを切ったとたんに黒くなってしまった…そんな経験はありませんか?
この変色や、独特のえぐみ・苦みの原因は「アク」にあります。
ただし、レンコンは、料理の目的によってアク抜きが必要な場合と、そうでない場合があります。
レンコンのアク抜きが必要かどうかを見分けるポイントと、水・酢水などを使った正しいアク抜きの方法、料理別の使い分け方をフードコーディネーターの清水加奈子さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、国際中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
トライアルでの販売価格
レンコン(100g)…本体価格78円(税込84円)
※2025年8月 メガセンタートライアル八千代店調べ。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
レンコンのアク抜きは必要?

結論からいうと、レンコンのアク抜きはすべての料理に必要ではありません。
ただし、料理の種類や仕上がりの目的によっては、アク抜きをしたほうがよい場合もあります。
レンコンを切って放置すると、断面が黒っぽく変色することがありますよね。これは、抗酸化作用のあるポリフェノール類の一種・タンニンが空気にふれて酸化するため。
アク抜きをすると、白く美しい見た目を保てるだけでなく、渋みや苦みを抑えて、よりすっきりした味わいに仕上げることができます。
特に、煮物や汁物のようにレンコンの風味が料理全体に影響するものでは、アク抜きが効果的です。
一方で、炒め物や揚げ物など、加熱調理が中心の料理ではアクが気にならず、抜かなくてもおいしく仕上がることも…。
むしろでんぷん質が残ることで、ホクホク感が引き立つメリットもあります。
アク抜きは、「見た目」「味」「食感」など、料理ごとの目的に応じて上手に取り入れるのがコツです。
レンコンのアク抜きの基本の方法と手順
レンコンのアク抜きといえば、まず基本となるのが水にさらす方法です。
切ったレンコンをすぐに水に入れることで、ポリフェノールの酸化による黒ずみを防ぐことができます。
手順
1. レンコンの皮をむいて、用途に合わせて輪切りや半月切りなどにカットする。

2. 切ったらすぐにボウルに張った水に、レンコンを入れる。

3. 5~10分程さらしたら、水気を切って調理へ。

さらしすぎると栄養分やうまみ成分が流れ出てしまうため、時間は短めに。5分程度で十分です。
レンコンの変色を防ぎつつ、ほんのり感じる苦みやえぐみをやわらげたいときにおすすめ。
特に煮物や汁物では、アクを抜いておくことで、料理の仕上がりがすっきりとまとまります。
もっと白く仕上げたいときは「酢水」がおすすめ
レンコンをより白く美しく仕上げたいときには、「酢水」にさらすのがおすすめです。
酢の酸がポリフェノールの酸化を抑え、変色を防いでくれるため、断面が白く保たれ、見た目の仕上がりがぐっと良くなります。
また、酢水にはレンコンの表面をキュッと引き締め、シャキシャキした食感に仕上げる効果もあります。
手順
1. 水500mlに酢大さじ1を加える。酢の量は目安なので、酸味が気になる方は少なめにしてもOK。

2. 切ったレンコンを5分程さらす。水と同様、長く浸けすぎないように注意。

3. キッチンペーパーなどで水気をふき取る。調理前にしっかり水気を取っておくと、味がなじみやすくなる。
酢のにおいが気になる場合は、さらした後に軽く水洗いしてから使うと安心です。
加熱調理では酢のにおいはほとんど気にならなくなります。
レモン汁でも同じようにアク抜きができますよ。
レモンのやさしい酸味と香りがほんのり移るので、ちらし寿司やおせちなど、香りを大切にしたい場面におすすめです。

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料理別おすすめのレンコンのアク抜き方法
レンコンのアク抜きは、料理の種類や、仕上げたい食感・見た目に応じて使い分けるのがコツです。
また、すべての料理で必ずしもアク抜きが必要なわけではなく、自然な風味を活かしたい場合は、あえて控えることも選択肢のひとつ。
ここでは、目的別におすすめのアク抜き方法を詳しく紹介します。
基本のアク抜き:煮物(含め煮やあっさり系の煮物)
煮物など、レンコンのやわらかさやホクホク感を活かしたい料理では、基本のアク抜きがおすすめです。
たとえば「含め煮」は、出汁や薄口しょうゆなどで色をつけずにゆっくり味を染み込ませる煮物のこと。こうした料理では、レンコンのアクを軽く抜いておくと、煮汁が濁らず、見た目も上品に仕上がります。
アク抜きをしすぎると、でんぷんが流れてしまい、ほくほくした食感が失われてしまいます。
そのため、5分以内の短時間でさっとさらすか、場合によってはアク抜きを省略しても問題ありません。
酢水でのアク抜き:レンコンサラダや酢の物、マリネ
レンコンのシャキシャキとした食感を楽しみたい場合には、酢水でのアク抜きがおすすめです。
レンコンサラダや酢の物、マリネなど、生に近い調理やさっぱりと仕上げたい料理では、酢水に5分程さらすことで、色をきれいに保ちながら、歯応えのある食感に仕上がります。
酢水でのアク抜き+下茹で:ちらし寿司やおせち、酢ばす(酢レンコン)
ちらし寿司やおせち、酢ばす(酢レンコン)など、白さや見た目を大切にしたい料理には、酢水でのアク抜き+下茹でがおすすめです。
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アク抜き後に、酢と少量の砂糖を加えたお湯でさっと茹でることで、レンコンの白さをさらに引き立てることができます。
茹でる時間は1~2分程度でOK。
茹ですぎると食感が損なわれるので、短時間で火を通すのがポイントです。
アク抜きは不要:筑前煮、天ぷら、きんぴらごぼう
筑前煮、天ぷら、きんぴらごぼうなどでは、レンコンの自然な風味やでんぷん質によるホクホク感を活かすために、アク抜きはいりません。
軽く水にさらす程度か、切ったらすぐに加熱調理に入ることで、素材の持ち味をそのまま楽しめます
アク抜きをしてトライアルのレンコンをおいしく食べよう

レンコンのアク抜きは、必ずしもすべての料理で必要というわけではありません。
ですが、変色を防ぎたいとき、すっきりした味わいに仕上げたいとき、シャキシャキ感や見た目の美しさを引き出したいときなど、目的に応じて使い分けることで、料理の仕上がりに大きな差が出ます。
水、酢水、レモン汁など、手軽にできる方法ばかりなので、気負わずに試せるのもポイントです。
アク抜きの加減を覚えれば、レンコン料理の幅がぐっと広がりますよ。
まずは、今夜の献立で「アク抜きあり」「アク抜きなし」の違いを比べてみるのもおすすめです。
トライアルで手に取ったレンコンを、もっとおいしく、もっと自分好みに調理してみてください。

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