
観葉植物の土はどう選ぶ?コバエの発生を防ぐ植え替え方法も紹介
観葉植物を育てる際には、水やりや日当たりなども大切ですが、その中でも土の選び方がとても重要なのだそう。
そこで今回は、園芸デザイナーとして活躍する「園芸王子」こと三上真史さんに、観葉植物の土の選び方や、植え替えする際の手順について教えていただきました。室内で植物を育てるときに気をつけたい、コバエの予防法についても参考にしてください。
教えてくれたのはこの人!

三上真史(みかみ まさし)
園芸デザイナー/株式会社Plants Up 代表取締役社長
園芸とフラワーデザインの資格を持ち、育成とデザインの両面から植物の魅力を伝える園芸デザイナー。NHK Eテレ「趣味の園芸」の司会を10年間務め、現在は講師として出演。NHK総合「あさイチ」のグリーンコーナー講師も務める。現在は、日本と海外を拠点に世界の植物を探求し、グローバルな活動を行っている。
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観葉植物の土の選び方

スーパーなどのガーデニングコーナーでは、さまざまな土が売られています。
初心者の方は、どれを選べばいいのか迷うかもしれません。
観葉植物を育てるときに使う土の種類は、大きく「基本用土」「培養土」「補助用土」に分かれます。
基本用土
基本用土は、ベースとなる土のこと。
観葉植物を育てる際は、基本用土として水はけの良い「赤玉土」や「鹿沼土」を使うのがおすすめです。
赤玉土
赤玉土は、保水性と排水性を兼ね備えた土。弱酸性なので、幅広い植物の栽培に適しています。
大粒、中粒、小粒と、多様な大きさがあります。
鹿沼土
鹿沼土は、火山の噴出物からできた酸性の土です。つぶれにくく、通気性や保水性に優れています。
ただし、酸性が苦手な植物や、弱アルカリ性の土壌を好む植物にはあまり適していません。
トライアルで買える!
赤玉土 小粒(あかぎ園芸)10L
トライアルでの参考価格:319円(税込)
鹿沼土(あかぎ園芸)10L
トライアルでの参考価格:319円(税込)

赤玉土 小粒は、関東ローム層の赤土を乾燥、粉砕、ふるい分けしたもの。鹿沼土は、鹿沼地方産の粒状・多孔質の火山灰土です。
いずれも鉢植え全般にも向いている土ですので、初心者でも安心して使えます。
※2024年8月 メガセンター八千代店調べ。
※販売価格は時期によって変動します。
培養土
培養土とは、用土に補助用土を混ぜ合わせた土のこと。
野菜や観葉植物など、特定のジャンルごとにベストな配合で販売されているため、ガーデニングが初めての方や不慣れな方におすすめです。
ガーデニングに慣れてきたら、基本用土と補助用土を配合して培養土を手作りすると、より植物に愛着がわきますよ。
培養土には腐葉土などの有機物が多く含まれているため、有機物を餌場とするコバエが棲みつきやすいことに注意が必要です。
無機質の赤玉土などの基本用土を表面に4cmほど入れるだけで、簡単にコバエ対策ができます。
トライアルで買える!
基本ブレンド培養土(あかぎ園芸)10L
トライアルでの参考価格:129円(税込)

基本ブレンド培養土は、草花・野菜全般に適した培養土です。
肥料などがバランス良く配合してあるので、そのまま使えます。
※2024年8月 メガセンター八千代店調べ。
※販売価格は時期によって変動します。
補助用土
補助用土とは、基本用土に足りない性質をプラスして、より良くするための土のこと。
「堆肥」「腐葉土」「ピートモス」など、多くの種類があります。
堆肥
堆肥とは、牛ふんをはじめとした家畜の糞尿などの有機物が、微生物の作用で完全に分解されたものです。
中でも、十分に分解・発酵が行われたものを完熟堆肥といい、根をすこやかに伸ばし、根腐れを起こしにくくします。
腐葉土
腐葉土とは、樹木の葉や枝などが微生物などによって分解された堆肥の一種です。
流通している肥料成分は多様なので、土壌や用土の特徴を見て選びましょう。
ピートモス
ピートモスとは、堆積した水苔やシダなどが分解されてできた土で、保水性、通気性が高いのが特徴です。
酸性度が高いため、土を酸性に傾けたいときに使用します。
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完熟牛ふん(あかぎ園芸)20L
トライアルでの参考価格:399円(税込)
良質な腐葉土(あかぎ園芸)14L
トライアルでの参考価格:329円(税込)


完熟牛ふんは、おがくず、おからなどの有機質を牛ふんに配合・発酵させて仕上げた、有機100%の堆肥。良質な腐葉土は、上質な広葉や落葉樹の葉を、粉砕・発酵熟成させて仕上げた有機質の代表的な用土です。
培養土や観葉植物の土によく混ぜ込んで使います。
※2024年8月 メガセンター八千代店調べ。
※販売価格は時期によって変動します。
観葉植物の土が果たす役割

観葉植物の土は、大きく2つの重要な役割を果たしています。植物の健康的な成長を支えるために、どのような役割があるのか知っておきましょう。
観葉植物に肥料や水を供給する
植物は、土に含まれる養分や水分を吸い上げて成長するので、小さな鉢の中で元気に育てるためには、水分や養分を十分に蓄えられる土を選ぶことが大切です。
土は植物にとって命綱のようなもの。
特に、比較的広範囲の土から養分や水分を補給できる地植えの植物と違い、観葉植物は鉢の中の土にしか頼ることができません。
観葉植物が倒れないように支える
観葉植物の地面より上の部分が倒れると、せっかく伸びてきた根が切れたり、なかなか根付かなかったりすることがあります。
そのため、植物の種類に合った土を適量入れて、自立を助けることが必要です。
植物は、土の中に根を張ってみずからを支えますが、根がいくらがんばっても、土が弱いと土から上の部分を支えきれずに倒れてしまうことも…。
観葉植物の土を変えるタイミング

観葉植物を元気に育てるには、定期的に土を入れ替えることが大切。入れ替えは、次のタイミングがおすすめです。
観葉植物が育ち、鉢が小さくなったとき
観葉植物の大きさよりも小さい鉢を使っていると、鉢の中で根が詰まり、成長に悪影響を及ぼします。
植え替えのタイミングで土も入れ替えて、リフレッシュさせてあげましょう。
年に1度、植物が成長する暖かい時期が来たとき
長く同じ土を使っていると、植物に悪さをする病原菌が増えたり、水はけが悪くなって根腐れを起こしたりします。
元気そうに見えても、年に1度、植物の再生能力が高い暖かい時期に植え替えをし、土をリフレッシュしてあげてくださいね。
観葉植物の植え替え方法
続いては、観葉植物の植え替え方法を紹介します。用意する物は以下のとおりです。

用意する物
・培養土(草花用でもOK)
・赤玉土
・現在の鉢よりひと回りかふた回り大きい鉢(植え替え用)
・土入れ(スコップ)
・鉢受け皿
・バケツ
・じょうろ
今回は、室内で栽培するジャスミンを植え替えるので、水はけを良くすることとコバエ予防のため培養土(観葉植物の土)と赤玉土の2つの種類の土を用意しました。
1. 土をブレンドする

培養土をそのまま使用してもOKですが、観葉植物がより良く育つ水はけの良い土にするために赤玉土を混ぜるのがおすすめです。
バケツに、培養土と赤玉土を2分の1ずつ入れて、土をまんべんなく混ぜ合わせておきましょう。
2. 鉢から根鉢を抜き、ごみなどを取る

鉢から根鉢を抜き、落ち葉や雑草、ごみなどを取り除きます。
その後、円周部分を親指で軽く押すようにして、土を落としていきます。
ふれるだけで取れてしまう根や黒い根は弱っているため、そのまま落としてしまって構いません。腐っている根があったら、取り除きましょう。
3. 底部分に手を入れ、土を落としながら根をほぐす

鉢底にあたる部分に手を入れ、古い土を落としながら根をほぐします。
外側によく張っている白い元気な根を傷付けないよう、注意しながら古い土をかき出しましょう。
4. 新しい植木鉢に少し土を入れ、観葉植物を置く

ブレンドした土を植木鉢に少し入れ、観葉植物をのせます。
土の高さが鉢の縁から指の第一関節くらいになるよう、底に入れる土を調整してください。
5. 土をかぶせ、最後に赤玉土を敷く

観葉植物の周りに土をかぶせていきます。
最後に、赤玉土だけを上部にぐるりと敷き詰めて軽く押さえると、コバエ対策になって◎。
6. たっぷり水をあげたら、植え替え完了

鉢受け皿に水が流れ出るまで、たっぷりと水をあげたら植え替え完了です。鉢受け皿にたまった水は必ず捨てましょう。
観葉植物の育成に必要な土はトライアルで

室内に観葉植物を置くことで、自然の美しさや緑の色合いがリラックス効果をもたらします。さらに、空気をきれいにしたり、湿度を最適化したりと、心地良い環境づくりにも力を発揮してくれるのだとか。
植物を育てるのに苦手意識がある方も、まずは土選びにこだわり、観葉植物がいきいきと育つ環境を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。
トライアルでは、観葉植物に適したさまざまな土はもちろん、鉢などの園芸グッズもお手頃価格で販売しています。
お買い物にお越しの際は、ぜひ園芸コーナーにもお立ち寄りください。

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