ダイエットを成功させる食事や継続させるための重要なポイントとは
「なるべく早くやせたい!」ダイエットしている方の多くがこのように考えていることでしょう。確かに過度なダイエットを行えば、短期間でやせることも可能です。しかし、極端な食事制限や運動でダイエットすると、リバウンドしやすいだけでなく、栄養不足の状態になりやすく健康を害してしまうリスクもあります。今回は、ダイエットを成功させるポイントや継続するための食事の方法をご紹介します。
教えてくれたのはこの人!
広田千尋 管理栄養士
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方やご高齢の方への栄養サポート、また赤ちゃんや子ども向けの食事相談など、幅広い年代のサポートに携わる。身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
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Instagram:@chihiro_eiyo
目次
カロリー制限、糖質制限、脂質制限はどう違うの?
ダイエットの種類はいくつかありますが、中でもカロリー制限、糖質制限、脂質制限にはどのような違いがあるのでしょうか。1つずつ見てみましょう。
1.カロリー制限
カロリー制限は、1日に摂取するカロリーを制限するダイエットの方法です。食事だけでなく、間食や飲み物などを見直して、摂取するカロリーをカットします。
例えば1日あたり240kcalほど減らすようにすると、1ヵ月で7,200kcalとなり、体脂肪1kg分を減らせる計算です。240kcalとは、ご飯中盛1杯分、シュークリーム1個分ほどに相当します。1ヵ月に1〜2kgほどの体重減少を目標にすると、リバウンドしづらく、無理なく続けられるでしょう。
2.糖質制限
糖質制限は炭水化物のうち、糖質(米、パン、麺、お菓子など)を制限するダイエットの方法です。
糖質は1日の摂取カロリーの半分以上を占めるため、制限すると大幅にカロリーカットできます。「糖質を減らすだけ」という気軽な方法で、短期間で効果を得られやすいこともあり、近年人気のダイエットの方法です。
しかし、極端な糖質制限は筋肉量を減らしてしまったり、免疫機能が低下したりするおそれもあり、体への負担が大きくなります。また、糖質が多く含まれるからといって、主食となる白米や麺類、パンなどを制限し続けることは難しく、リバウンドしてしまう人も少なくありません。
少なくとも、毎食ご飯小盛1杯程度は食べる必要があるため、制限しすぎない範囲で取り組みましょう。
3.脂質制限
脂質制限は、脂質を多く含む食べ物を制限するダイエットの方法です。
具体的には、揚げ物やスナック菓子、肉類、マヨネーズなどの調味料といった食べ物を制限します。脂質は1gあたり9kcalほどと少量でも高カロリーのため、制限することでダイエット効果が期待できます。
主食はいつもどおり食べられるため、主食が好きな方にとってはストレスの少ないダイエットの方法です。
ただし、過剰な制限は脂溶性ビタミンの吸収が悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたりと、体に影響が出るおそれがあるため禁物です。 脂質をまったくとらないのではなく、適度に取り入れるようにすると、負担が少なく続けられるでしょう。
過度なダイエットはリバウンドしやすい!
どのダイエットの方法でも、過度な制限を行うとリバウンドしやすくなります。
過度な制限により体を動かすためのエネルギーが不足すると、体脂肪のほかに筋肉も燃やしてエネルギーを作り出そうとしてしまいます。筋肉量が減ると基礎代謝が低下して、リバウンドしやすくなったり、やせづらい体を作ったりする原因に。
また、体に必要な栄養素も不足しやすくなるため、免疫機能の低下や疲れやすさなど、さまざまな影響を与えかねません。
過度な制限ではなく、ほどほどに行える「ゆるやかな制限」を行い、リバウンドのないダイエットを行いましょう。
成人男性・女性の1日の食事の目安
成人男性・女性の1日に必要な量は、性別や体格、運動量によって異なりますが、基準とされている目安は、下記のとおりです。
1日に必要な量の目安(18~64歳)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 2,600~2,700kcal | 84.5~135g | 57.8~90g | 325~438.8g |
女性 | 1,950~2,050kcal | 63.4~102.5g | 43.3~68.3g | 243.8~333.1g |
※身体活動レベルが「ふつう(座位中心の仕事)」の場合
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
食事量の目安や、どのようにバランスを整えるといいかは農林水産省・厚生労働省が示している「食事バランスガイド」が参考になります。
1日に何をどれだけ食べたらいいか、組み合わせの例が書かれているため、ダイエット中の方は一度チェックしてみましょう。
ダイエット中に食べたい食材
ダイエット中に積極的にとりたい食材は、食物繊維の多い物や、カロリーの低い物、脂質の少ない物などがあります。
具体的にどのような食材を取り入れるといいのか、チェックしてみましょう。
1.玄米・雑穀米・オートミールなどの主食
主食の中でも、玄米、雑穀米、オートミールは食物繊維が豊富です。
よく噛んで食べられるため、満腹中枢が刺激されて満腹感を得られやすく、ダイエットの強い味方となってくれます。
玄米や雑穀米はまとめて炊いて冷凍しておくと便利です。
オートミールはシリアルのように食べたり、雑炊やリゾットなどにしたりとさまざまな食べ方があるため、好みの食べ方を見つけてみましょう。
2.豆腐・納豆・卵などの良質なタンパク質源
豆腐、納豆、卵は良質なタンパク質をとれる上に、脂質が少なくヘルシーです。
豆腐や納豆は調理が不要でそのまま食べられるので、毎日気軽に取り入れやすいのが魅力です。卵は、さまざまなメニューに使いやすいため、飽きずに取り入れやすいでしょう。
3.脂質の少ない肉類や魚介類
肉類や魚介類を取り入れる際は、脂質の少ない部位を選ぶと、カロリーを抑えられます。
特に脂質が少ないのは、肉類では鶏ササミ、鶏ムネ肉、豚ヒレ肉、豚モモ肉があります。魚介類では、タラやサケ、エビやイカなどがおすすめです。
「蒸す」「焼く」などの油を使わない調理法だと、さらにカロリーを抑えられます。
4.野菜・キノコ・海藻などの副菜
野菜、キノコ、海藻はカロリーが低く食物繊維が豊富なので、ダイエット中はたっぷり取り入れるようにしましょう。
野菜は加熱するとたくさん食べられるため、スープや温野菜サラダなどにするのがおすすめです。キノコや海藻も毎日取り入れるようにし、スープやサラダ、おかずのかさましなどに使うようにしましょう。
ダイエット中は注意すべき食材
反対に、ダイエット中に注意したい食材は下記があります。
- 脂質の多い肉類
- 砂糖、はちみつなどの甘味料
- マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料
- 生クリーム、チーズなどの乳脂肪分が多い物
いずれも少量で高カロリーなので、ダイエット中は食べすぎに注意が必要です。 息抜きにたまに食べるのはOKですが、量が多くなったり、頻度が高くなったりしないように気をつけながら楽しむようにしましょう。
ダイエットを継続させる重要なポイントとは
ダイエットを継続させるためには、先程紹介した「過度なダイエットをしない」以外にも、重要なポイントがあります。どのようなポイントか、詳しく見てみましょう。
1.栄養バランスを整える
糖質・脂質・タンパク質をバランスよくとりましょう。
何かを極端に制限すると、栄養バランスが崩れてしまい、リバウンドしやすくなったり、体に負担がかかったりしてしまいます。
1食の中で主食・主菜(おかず)・副菜をそろえるようにすると、栄養バランスを整えやすくなります。また野菜たっぷりで脂質控えめを心掛けましょう。
2.1日3回きちんと食べる
1日3回、きちんと食べるようにしましょう。
食事を抜いてしまうと、空腹感から間食が増えたり、ドカ食いにつながったりすることがあります。
また1日の中でも朝食は、体温を上昇させて代謝を上げる役割があります。
いわゆる「やせ体質」を作るために欠かせない習慣のため、ぜひ朝はご飯を食べるようにしましょう。
ベジファースト、ミートファーストが流行中!食べる順番も重要って本当?
ベジファースト、ミートファーストの効果が注目されていますが、食べる順番もダイエットには重要です。
ベジファーストは野菜から先に食べる方法、ミートファーストは肉(おかず)から先に食べる方法ですが、共通しているのは「糖質を含む食べ物を最後に食べること」です。
つまり糖質を多く含む白米や麺類などの炭水化物を最後に食べることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。
血糖値の上昇がゆるやかだと、なぜダイエットにいいのでしょうか?
もし食後に血糖値が急激に上がった場合、血糖値を下げるホルモンであるインスリンがたくさん分泌されます。インスリンは余った糖を体脂肪として蓄える働きがあるため、たくさん分泌されてしまうと太りやすい状態を作ってしまうのです。
インスリンの分泌を少なくするために、血糖値をゆるやかに上昇させることがとても大切。そのため、糖質を多く含む白米や麺類などは最後に食べるというわけです。
野菜かおかずか、どちらの場合でも重要なのは「糖質を含む食べ物を最後に食べること」なので、食べる順番を意識してみましょう。
ダイエットを効果的にする食事のためのレシピ
ダイエット中にとりたい食材を使った、おすすめレシピを2つ紹介します。
どちらも10分~15分で手早く作ることができるので、ぜひ試してみてください。
豆腐でヘルシーお好み焼き
豆腐とキャベツを使ったヘルシーなお好み焼きです。
豆腐を使うことで小麦粉の量が少なく済むので、普通のお好み焼きより糖質・カロリーオフ できます。
たっぷりのキャベツと豆腐で、食べごたえもばっちりです。
調理時間: 15分
費用目安: 61円(税込)
材料(2人分)
木綿豆腐…200g
キャベツ…8分の1個(150g)
[A]
卵…1個
薄力粉…大さじ5
和風出汁の素(顆粒)…小さじ1
サラダ油…適量
お好み焼きソース、青のり、削り節…適量
作り方
1.キャベツは粗みじん切りにする
2.ボウルに木綿豆腐を入れ、泡立て器で滑らかになるまで混ぜて
[A]、1を順に混ぜる。
3.フライパンにサラダ油を入れ弱めの中火で熱し、2の半量を入れて丸く形を整える。3~4分焼いて焼き色がついたら上下を返し、弱火にして約5分焼く。残りも同様に焼く。
- カロリー 244kcal (1人当たり)
- 糖質 24.6g(1人当たり)
トマトの旨辛サンラータンスープ
たっぷりのトマトが入った、酸っぱ辛いスープです。
しいたけや卵などの具材も入って、具だくさんでおなかも大満足。
また、ラー油に含まれるカプサイシンは、脂肪燃焼が期待されている成分です。
油なので使いすぎはNGですが、少量取り入れて上手にダイエットに活かしましょう。
調理時間:10分
費用目安:232円(税込)
材料(2人分)
トマト…1個
シイタケ…2枚
長ネギ…2分の1本
卵…1個
水…350ml
鶏がらスープの素…大さじ1
[A]
酢…小さじ2
しょうゆ…小さじ2分の1
こしょう…少々
片栗粉…小さじ1
ラー油…少々
作り方
1.トマトは一口大に切る。シイタケは薄切りにする。長ネギは斜め薄切りにする。
2.鍋にシイタケ、水、鶏がらスープの素を入れて沸かし、トマトを加えて約1〜2分煮る。
3.長ネギを加えて再度煮立ったら[A]と、片栗粉を水小さじ1(分量外)で溶いた物を加える。溶き卵を回し入れて火を通し、ラー油をたらす。
- カロリー:84kcal (1人当たり)
- 糖質:4.5g (1人当たり)
※価格は2024年7月 スーパーセンターアイランドシティ店 調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
ダイエットは無理なく続けられる方法で!
過度な制限は心身ともに負担になってしまいます。食事制限はストレスなく続けられる方法を見つけるようにしましょう。
また運動も取り入れて、消費カロリーを高めることも大切です。食事と運動、両方を取り入れて理想の体型に近づきましょう!
※記事は2024年月8時点の内容です。