カツオは今が食べ時!初鰹と戻り鰹の違い、冷凍物が優秀な理由って?
目には青葉 山ほととぎす 初鰹――江戸時代の句にもあるとおり、カツオは初夏に食べる縁起のいい初物として昔から重宝されてきました。旬が2回あり、初鰹と秋の戻り鰹では、味わいや風味に違いがあるのもおもしろいところです。最近では、冷凍技術の発達によって初夏でも脂ののった戻り鰹が食べられるようになりました。
今日も新米主婦のマニ子さんが、トライアルの魚売り場で夕食用の魚を物色中。トライアルの職人に旬のカツオをすすめられたタイミングで、素朴な疑問をバシバシ質問しているようです。そのやりとりを聞いてみましょう…。
登場人物
職人・トライアル鮮魚担当 松元佑太(まつもと ゆうた)
大学卒業後、鮮魚一筋12年。トライアル歴2年、九州商品部のリーダー兼バイヤー
新米主婦・マニ子さん
主婦1年目。結婚前までは一人暮らしをしていたが、その頃は外食が多め。結婚を機に、自炊に目覚める。現在は今後のために貯金をがんばりたい期のため、トライアルで買い物をすることでなるべく生活費を節約するようにしている。魚好きだが、魚の調理はまだ初心者。
初鰹はさっぱり、戻り鰹はこってり
いらっしゃい!今日は宮崎の北浦漁港から、8kgの生鰹が届いてますよ。
大きいカツオだから、絶対においしいですよ!
カツオか…。ちょっと生ぐさい感じがして、どっちかっていうと苦手なんですよね~。
なるほど。それはね、どこかで鮮度の落ちたカツオを食べたのかもしれないですよ。
新鮮なカツオにくさみはないんで。
へー、本当に?一番おいしい時期って今なんですか?
基本的には、カツオには旬が2回あるっていわれてるんですよ。
1度目は、4月から5月にピークを迎える「初鰹」、2度目は8月から9月にピークを迎える「戻り鰹」ですね。
カツオは太平洋の熱帯海域で生まれて、春になると黒潮に乗って北上していきます。
北のほうへ上がっていくときに獲れるのが初鰹で、北海道の南端くらいまで進んでから南に向きを変えて戻ってくるときに獲れるのが戻り鰹ですね。
なるほど~。初鰹と戻り鰹とでは、どっちがおいしいんですか?
うーん、それはなんともいえないですね。
どちらにも良さはあるので。それぞれの特徴は…
- 初鰹
初鰹はエサを探して北上している最中のカツオなので、身が引き締まっていて脂は少なめ。赤身が多いからさっぱり食べられて、ぷりぷりした食感。 - 戻り鰹
戻り鰹はたくさんエサを食べて産卵のために戻ってくるため、初鰹より肥えていて脂がたっぷり。こってりした味わい。
全然味わいが違うんですね!
そうなんですよ。
なので、一般的にはみずみずしくて爽やかな旨味が好きなら初鰹だし、トロみたいな濃厚さが欲しいなら戻り鰹を選ぶんじゃないですかね。
その人の好みによって、どのカツオをおいしいと感じるかは違ってくると思います。
高い冷凍技術で、新鮮&安全な冷凍物が手に入る!
さっき、生のカツオが入荷してるってアナウンスをしてましたけど、普通は冷凍なんですか?
最近は冷凍が主流になりつつありますね。
というのも、何年か前に、魚についたアニサキスっていう寄生虫が原因で食中毒になる事例が注目されたじゃないですか。
当時、カツオでの報告も多かったんです。
アニサキス食中毒の予防には、60℃で1分以上、または70℃以上で加熱するか、-20℃以下で24時間冷凍するのが最も有効だということもわかってきて、冷凍が一気に増えました。
そうなんですね。
逆にいうと、冷凍物のカツオは安心して食べられるってことですね。
トライアルの場合、エサを食べに北上する前の初鰹を宮崎から産地直送で仕入れてるんで、生鰹でも安心して食べていただけますよ。
生産者が見えるメーカーからしか仕入れてないですし、鮮度を厳しくチェックしてますからね。
3月から7月くらいまで、良いカツオが上がったら仕入れてますから、トライアルで生鰹ならではのおいしさをぜひ味わってみてください。
すごく食べたくなってきました…。
実は、今年はホントにカツオが獲れないんですよ…。
自分、10年この仕事やってるんですけど、こんなこと今までなかったですね。
温暖化もあって、これまでの常識が崩れてきてるんじゃないかって話でした。
ええ!じゃあ、生鰹がお目見えするのはかなり貴重なんですね。
そうですね。
ただ、カツオの動きはわかってないことも多くて、これからの気候や海流がどうなるかもわからないんで、またすぐ獲れる日がくるかもしれないですけど…(笑)。
でも、冷凍技術が発達したおかげで、戻り鰹をたくさん獲って、いい状態で冷凍しておくことができるようになったんですよ。
トライアルは「瞬間洗浄凍結」っていう方法で、鮮度を保ったまま冷凍した物を仕入れてるから、アニサキスの心配もない上にすごく新鮮。ほかの冷凍物とは一味違いますよ。
背側か腹側かわからない切り身は、おいしい可能性大
おいしいカツオを選ぶときのポイントはありますか?
まず、カツオは大きいほどおいしい。これは間違いないです。
でも、売られてるカツオは切り身だから、どれが大きいカツオなのかわからないですよね。
なので、切り身の形を見てください。
普通のカツオは、背中側1本、腹側1本って感じで売られてますけど、でかいカツオはそれだと1つが大きすぎちゃうんですよ。
だから、お店で売るサイズに下ろそうとすると、どうしても形がいびつになるわけです。
パッと見て背側なのか腹側なのかわからない、「これどこの部分?」みたいな切り身が売られていたら、それは元のカツオが大きい証拠。
そういうのは、どれを買ってもまず外れはないです。
背側と腹側とで、どう違うんですか?
だいたいどの魚もそうですけど、腹側のほうが脂がのってて、背側はそれに比べるとさっぱりしてます。
初鰹と戻り鰹といっしょで、どちらがおいしいかは好みですね。
なるほど~、いろいろ聞いてみるものですね!
だんだんカツオに興味が出てきました。
食べ方のおすすめもあったら教えてくれますか?
カツオはサバ科の魚だからか、風味としては青物に近く、味の主張が強いんです。
ほかのお刺身みたいに醤油で食べると、ちょっとカツオの味が濃すぎて飽きちゃうかもしれないですね。
やっぱり、生姜やにんにくのようなさっぱりした薬味系といっしょに食べる「カツオのたたき」が定番じゃないですか。
やっぱりそうですよね!
もっと簡単においしく食べるなら、お店でカツオを買ったときについてくるタレをかけて食べてください。
カツオに合うように作られているポン酢風味のタレだから、合いますよ。
トライアルには、付属のタレだけじゃ足りない方のために、予備のタレも置いています。
足りないかもと思ったら自由に持って帰ってください。
売り場にないときは店員に声をかけてもらえたら、いくつでも持ってきますよ!
じゃあ、今日はカツオのたたきにします!
タレも多めにもらっていこっと!
冷凍も生に負けない新鮮さ!カツオを手に入れるならトライアルで
生鰹はこれまでになく不漁とのことで、トライアルで生の初鰹と出合えるのは貴重なようですね。ですから、もしお店で見つけたときは、ぜひ手に入れてください!
一方で、トライアルでは高い冷凍技術を採用した戻り鰹もそろっています。
職人の松元が言っていたとおり、獲ってすぐに冷凍しているから、新鮮さはそのまま。脂ののった戻り鰹をこの時期に食べられますので、こちらもお見逃しなく!
トライアルの魚は一級品!安くても鮮魚店、寿司店と並ぶ品質を実現