「数の子」を塩抜きするには?失敗しないコツと、おいしい味付け方法
お正月の定番の一品「数の子」。
数の子はニシンの卵ですが、数がとても多いため「たくさんの子宝に恵まれますように」「子孫が代々繫栄しますように」といった願いを込めて、おせちに入れられています。
鮮やかな黄色も、お正月らしくて華やかですよね。
数の子独特のコリコリ、プチプチとした食感と、程良い塩味を引き出すには、味つけ前の塩抜きが大切。
そこで、数の子の基本の塩抜き方法と時短の塩抜き方法、塩抜き後の味つけについて、料理家の風間章子さんに教わりました!
教えてくれたのはこの人!
風間章子(かざま あきこ)
料理家/調理師
イタリアンレストランで6年間修業した後、カフェを立ち上げ、雑誌やウェブなど、さまざまなメディアにて料理監修で活躍。これまで、4店舗のカフェの料理メニューの立ち上げを行う。料理の技術向上はもちろん、料理の楽しさを伝えることを目的とし、料理の撮影や料理教室を開催するキッチンスタジオ「人形町キッチン」を運営。わかりやすい説明と気さくな人柄で、好評を得ている。
X(旧Twitter):@ACCO_kzm
トライアルでの販売価格
北海道産 塩数の子(100g)…699円(税込)
※2023年12月 スーパーセンター宮田店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
基本的な数の子の塩抜き方法
まずは、数の子の基本的な塩抜き方法について、順を追って見ていきましょう。
1. 数の子を塩水に浸ける
水1Lに対して塩小さじ1を入れた塩水を用意し、数の子を浸けます。3時間経ったらいったん水を捨て、同量の新しい塩水を用意し、さらに3時間浸けましょう。
このとき、塩味を抜きすぎると味気がなくなってしまうので、途中で数の子の端を少し折って味見し、塩分の状態をチェックしてください。少し塩気を感じる程度になればOKです。
2. 薄皮をむく
塩水から数の子を取り出し、食感を良くするために薄皮をむきます。
数の子には「くし目」と呼ばれる割れ目が、ほぼ等間隔に入っています。
このくし目に沿うように薄皮を引っ張るときれいにむけますよ。
どうしてもむきにくい場合は、親指の腹を使って、くし目に向かってこする用にすべらせるといいでしょう。
3. 裏側の薄皮もむく
「2」と同じように、裏側の薄皮もむきます。両側の薄皮がくし目の中央に集まったら、はがすように縦に引っ張って、薄皮をすべて取り除きましょう。
表側をむいたら裏側をむくというように、両側を同じペースでリズム良くむいていくと効率がいいのでおすすめです。
数の子を真水ではなく塩水につけるのはなぜ?
「塩分を抜くのにどうして塩水につけるんだろう」と思いませんか?
これは、浸透圧を使って均等に塩分を抜く「呼び塩」と呼ばれる手法。
塩分濃度が高く、塩辛い食べ物の味を調節するときに使われます。
食材を真水に浸けたほうが塩分は早く抜けますが、これだと表面の塩が先に抜けて中の塩分は残ってしまうため、味に偏りが出ることに。
舌ざわりや食感も損なわれるので、真水だけで塩抜きをするのは避けましょう。
時間はかかりますが、適量の塩水でゆっくりと塩分を抜くのが、数の子の旨味と食感を損なわないコツです。
時短でできる数の子の塩抜き方法
「塩水でゆっくり塩抜きしたほうがいいのはわかるけど時間がない…」「いつもは塩抜き済みの数の子を買っているのに、間違えて塩抜きしていない物を買ってしまった」など、塩抜きする時間の余裕がないときに試したいのが、時短でできる方法です。
ここからは、基本の塩抜き時間の約半分、最短3時間でできる数の子の塩抜き方法をご紹介しましょう。
時短の塩抜き方法
1. 数の子を水洗いする。
2. 水1Lに対して塩小さじ2を入れた塩水を用意し、40℃まで温める。そこに数の子を1時間浸ける。
3. 1時間経つと、だんだん薄皮がはがれてくる。「基本の塩抜き方法」と同じやり方で、表・裏まんべんなく薄皮を取り除く。
4. 塩水を捨てて真水に入れ替え、薄皮をむいた数の子を1時間浸ける。
5. 1時間経ったら真水を新しい物に入れ替え、さらに1時間数の子を浸けます。時々、端を折って少し味見をし、塩分の抜け具合を確認しましょう。
時短の場合、通常と同じ仕上がりにはなりにくい
数の子を買ってすぐに使いたいとき、時短の塩抜き方法は便利です。
ただし、基本の方法で塩抜きをしたときとまったく同じ仕上がりにはなりにくいことは知っておきましょう。
数の子ならではの食感と味わいを維持しておいしく食べたいなら、時間に余裕を持って準備するようにしたほうがいいですね。
塩抜き後の味つけ方法
塩抜きが済んだら、数の子の味つけをしましょう。ここからは、おいしい味つけ方法と手順をご紹介します。
材料
数の子…200g
だし汁…300ml
酒…大さじ2
薄口醤油…大さじ2 ※濃口醤油を使う場合は塩を少々加える
みりん…小さじ1
鰹節…少々
作り方
1. だし汁に酒、醤油、みりんを加えてひと煮立ちさせる。
2. 沸騰したら火を止め、粗熱をとる。
3. タッパーなどに移して冷蔵庫に入れ、キンキンになるまで冷やす。
4. 「3」に塩抜きした数の子を漬け込み、1日以上置いて味をなじませる。
5. 汁気を切り、食べやすい大きさに切り分けてお皿に盛る。鰹節を振りかけたら完成!
数の子の塩分を抜きすぎたら、だし汁の濃さで調整しよう
数の子は、塩分を抜きすぎると苦みが出る上、コリコリした食感もなくなっておいしさが半減してしまいます。
少し面倒でも、塩抜きの途中で何度か味を見て、程良いところで塩抜きをストップするようにしましょう。
塩を抜きすぎてしまったら、だし汁を少し濃いめにするなどして、味つけを調整してください。
縁起物をおいしく調理!新鮮な数の子の購入はトライアルで
「今年は手をかけておせち料理を作ってみようかな…」というとき、縁起物の数の子は欠かせません。
できれば基本の塩抜き方法で、旨味が凝縮した程良い塩味に仕上げたいですよね。
焦って塩抜きをして、せっかくの数の子を台無しにしないためには、余裕を持って買い出しを済ませ、塩抜きの時間を十分に取ることが大切。
塩抜きをする前の数の子は日持ちがするので、早めに購入して、冷蔵庫で保存しておくといいでしょう。
トライアルの鮮魚部門では、旬の食材を全国各地から仕入れることで、いつ購入しても常に新鮮な商品が並ぶ売り場を実現しています。
もちろん数の子も、たっぷりとした厚みとツヤのある商品をお手頃価格でご用意していますので、お正月準備の際はぜひお立ち寄りください!