【すき焼きの作り方】基本のレシピや割り下の黄金比を紹介
寒い季節に食べたくなる、家族団らんにぴったりの鍋料理「すき焼き」。
明治時代の「牛鍋」から発展した関東風のすき焼きは、割り下を使って牛肉を味わうための料理です。
特別な調味料や技術が必要そうに思えるかもしれませんが、実は基本の作り方さえ押さえれば、家庭でも本格的な味が楽しめます。
この記事では、初心者でも失敗しないすき焼きの基本レシピや、本格すき焼きを作るコツを、料理家の樋口直哉さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!

樋口直哉
作家・料理家。1981年東京生まれ。服部栄養専門学校卒業後、料理教室助手、フレンチレストラン勤務を経て、料理研究家に。科学的な考え方から、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。『読むだけで料理がうまくなる本』(オレンジページ)『料理1日目』(光文社)など著書多数。
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※2025年11月 メガセンタートライアル八千代店調べ。
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すき焼きの基本の材料

すき焼きをおいしく仕上げるためには、素材の選び方が味わいを左右します。
特に、牛肉と並んで欠かせないのが「長ネギ」。
長ネギの甘みと香りが、すき焼き全体の味わいを引き立てます。
ここでは、3~4人分の基本的な材料と、味の決め手となる割り下のレシピをご紹介します。
季節や好みに応じて、野菜やきのこ類を追加してアレンジするのもおすすめです。
すき焼きの材料(3~4人分)
すき焼きに必要な主な材料は次のとおりです。
野菜はお好みに応じて調整してください。
材料
すき焼き用薄切り牛肉…500g
焼き豆腐…1丁
長ネギ…2本(または玉ねぎ1個)
しいたけ…6枚
春菊…2分の1束
しらたき…120g
牛脂…1個
卵…4個
昆布だし…水500ml+昆布5g(30分ほどつけて使用)
白菜、せり、小松菜、トマト、タケノコ、クレソン、山菜、ピーマンなどもおすすめです。
季節の野菜を取り入れることで、すき焼きの楽しみ方が広がります。
割り下の材料(3~4人分)
割り下は、すき焼きの味を決める大事な調味液です。
甘さとコクのバランスが取れた黄金比で作れば、肉や野菜の旨みがぐっと引き立ちます。
材料
醤油:100ml
みりん:100ml
酒:100ml
砂糖:大さじ2
すき焼きの基本の作り方
すき焼きをおいしく仕上げるためには、正しい順序で調理することが大切です。
「焼く」「煮る」「味を重ねる」の流れを押さえれば、家庭でも本格的な味が再現できます。
ここでは、下ごしらえから調理工程までを段階ごとに分けて解説します。
1. 食材の下ごしらえをする


すき焼きは準備が味の決め手です。
食材を丁寧に下処理しておくことで、仕上がりのおいしさが大きく変わります。
また、すき焼きは見た目の美しさも味わいのうち。
食材をグループごとに分けて盛り付けることで、食卓が華やかになります。
各食材の下ごしらえ
・牛肉:食べやすい大きさに切る。小さく切りすぎると焼きにくくなるため、適度な大きさを保つ
・長ネギ:1cm幅の斜め切りする
・焼き豆腐:キッチンペーパーでしっかり水気を取り、一口サイズ(8等分)に切る
・しらたき:10cmほどに切り、2~3分程下ゆでして臭みを取る
・春菊:根元を切り落とし、長ければ半分に切る。茎も半分にカットする
・しいたけ:軸と石突きをカット。軸の部分は縦半分に切る。2個程飾り切りし、ほかは半分にカットする
2. 割り下を準備する

すき焼きの味を左右するのが「割り下」です。
黄金比で調合すれば、どの家庭でも安定したおいしさに仕上がります。
割り下の作り方
1. 鍋にみりん・酒・砂糖を入れて火にかけ、アルコールを飛ばす
2. 砂糖が完全に溶けたら火を止める
3. 醤油を加えて混ぜ合わせる
加熱したまま醤油を入れると香りが飛んでしまうため、火を止めてから加えましょう。
割り下は一晩寝かせるとさらに味がなじんでおいしくなり、2~3日経つと、より深みのある味わいになりますよ。
3. 卵を準備する

すき焼きをおいしく食べるには、作りながら食べるのが理想的です。
そのため、すき焼き鍋やフライパンに火を入れる前に、溶き卵を準備しておきましょう。
各自の取り皿に溶き卵を準備しておくと、スムーズに食べ始められます。
卵はすき焼きの味の濃さを調整する役割も担っています。
割り下が濃いと感じたら卵をたっぷりつけ、薄いと感じたら卵を控えめにするなど、時間の経過とともに調整しましょう。
4. 鍋を熱し、牛脂を溶かす

すき焼き鍋やフライパンを中火にかけて牛脂を入れ、じっくりと溶かします。
香りが立ち始めたら準備完了です。
この際、鍋を加熱しすぎないよう注意しましょう。
肉の温度を約80℃を保つことで、和牛特有の甘い香り(和牛香)が保たれます。
牛脂は、すき焼きに特有の旨みと香ばしさを生み出す源です。
サラダ油では出せない風味が楽しめますよ。
5. 牛肉を焼いて最初の一口を味わう


まずは鍋に牛肉を入れ、片面に焼き目がつくまで焼きます。
香ばしい香りが立ってきたら、割り下を少量加えて味がなじむまで煮ましょう。
この「最初の一口」は、すき焼きならではの特別な瞬間です。
割り下の味の濃さや肉の火の通り具合を確かめながら、素材そのものの旨みを堪能してください。
卵にくぐらせるのは控えめにし、まずはそのままの風味をじっくり楽しむのがおすすめです。
6. 野菜や豆腐を加えて煮込む

次に、長ネギ・豆腐・しらたきなどの食材を鍋に加えます。
その後、割り下を適量加え、食材に味が染みるまで煮込みます。
豆腐を入れると水分が出てきますが、ここで焦って割り下を継ぎ足さないのがコツ。
牛肉の脂を豆腐に絡めながら、野菜がしんなりしてくるのを待ちます。
焦げ付きが心配な場合は、昆布だしを追加しましょう。
7. 肉を再び加えて重ね煮にする


火が通ってきたら、食材を鍋の端に寄せ、牛肉を加えて片面を焼きます。
片面に火が通ったら、野菜の上に牛肉をかぶせ、肉を直火から避難させましょう。
これにより、直接火に当たらず、牛肉がやわらかく仕上がります。
その後、上から割り下を加えます。
ここでは煮るよりも「割り下で焼く」イメージで調理しましょう。
そうすることで、割り下の香りと旨みをまとわせながら、肉と野菜の一体感を楽しめます。
8. 春菊を加えて風味を仕上げる

仕上げに春菊を加えましょう。
春菊は火が通りやすいため、最後に入れるのがベストです。
春菊の爽やかな香りが、濃厚な味わいで満たされた口の中をリセットしてくれるため、最後まで牛肉をおいしく飽きずに食べ進められます。
すき焼きが余った際のアレンジレシピ
すき焼きが残ったときは、アレンジ次第で最後までおいしく楽しめます。
翌日のごはんや夜食にもぴったりな、簡単でおいしいアレンジレシピをご紹介します。
割り下と具材で作る「すき焼き丼」

残った割り下と具材を使って、ごはんにぴったりな「すき焼き丼」が作れます。
卵の入れ方を工夫することで、まろやかで贅沢な味に仕上がります。


すき焼き丼の作り方
1. 鍋に残った具材に割り下と昆布だしを適量入れて加熱する
2. 泡が立ち始めたら、溶き卵(完全に混ぜすぎず、白身が少し残る程度)を4分の3量加える
3. 弱火で白身に火が通るまで加熱する
4. 火を止めたら、残りの黄身を加え、余熱で火を通す
5. ごはんの上に具材をのせ、彩りに春菊を添える
卵を完全に混ぜすぎないこと、そして2回に分けて入れることで、ふんわりとした食感と黄身のとろみが楽しめます。
うどんを加えて「すき焼きうどん」
すき焼きの締めには、冷凍うどんを使った「すき焼きうどん」が簡単でおいしい選択です。
割り下の甘辛い味わいがうどんによく絡み、満足感の高い一杯に。
すき焼きうどんの作り方
1. 鍋に残った割り下と昆布だしを適量加え、火にかける
2. 冷凍うどんを鍋に入れ、ほぐれるまで加熱する
3. 仕上げに卵や残っていた具材を加える
本格的なすき焼きを家庭で作るコツ

家庭ですき焼きを作る際も、ちょっとしたコツを押さえるだけで、お店のような本格的な味を楽しむことができます。
ここでは、樋口さんに教えていただいた家庭で本格すき焼きを作るコツをご紹介します。
割り下はまとめて作る
醤油・みりん・酒を「1:1:1」、砂糖は好みで加えるのがポイント。
一度に多めに作っておけば、すき焼きだけでなく、肉じゃがや煮物など他の料理にも活用できます。
冷蔵保存で約1ヵ月保存可能ですが、2~3日経つと味がなじんでよりおいしくなります。
一晩置くだけでも、味わいが格段に変わるので、まとめて作っておくのがおすすめです。
牛肉は焼いてから煮るのが鉄則
すき焼きの主役は牛肉です。
はじめに軽く片面だけ焼くことで、香ばしさが引き立ち、旨みが閉じ込められます。
焼いたあとは、他の食材の上に「かぶせるように」重ねて加熱するのがコツ。
これにより、直火による加熱を避け、肉のやわらかさを保てます。
和牛など脂の入りが程よい部位を選ぶ
すき焼きに使う牛肉は、すき焼き用として売られているものであれば、どの部位でも問題ありませんが、関東風のすき焼きには、脂のサシがしっかり入った和牛や国産牛が最適です。
関東風すき焼きの割り下を使う調理法は、和牛をおいしく食べるために発展してきたもの。
和牛のサシが入っているからこそ、やわらかく味わえるのです。
切り落とし肉でも作れますが、すき焼きらしさを楽しむなら薄切り肉がおすすめです。
赤身が多いアメリカ産の輸入牛を使う場合は、焼いたときの香ばしさが出やすい反面、火を通しすぎると固くなりやすいため注意が必要です。
“煮る”より“焼く”意識で仕上げる
すき焼きは鍋料理でありながら、ぐつぐつと煮込まず、「焼くように煮る」イメージで調理します。
割り下はたっぷり入れず、必要な分だけ加え、野菜の水分や牛肉の脂で自然な煮汁を引き出します。
煮込みすぎると具材の食感や香りが失われるため、完成を待たずに、それぞれの食材をベストなタイミングで食べるようにしましょう。
牛脂で香りとコクをプラス
市販のサラダ油では出せない香ばしさとコクを与えるのが「牛脂」です。
牛の香りがすき焼き全体に広がり、風味を決定付けます。
スーパーによっては無料で手に入る場合もあるので、すき焼き用の牛肉を購入する際には忘れずにチェックしましょう。
割り下の濃さは卵で調整する
割り下を入れすぎて味が濃くなってしまったときは、卵を多めにつけて食べることで調整できます。
一方で、薄いと感じたら卵を控えめにするなど、自分好みの味わいに調整しながら楽しみましょう。
トライアルの牛肉で、家庭で本格すき焼きを作ろう

すき焼きは、年末年始のごちそうや家族団らんの場にぴったりな料理です。
特別な準備がいらず、調理しながら食べられるため、手間がかからないのも魅力です。
そんなすき焼きを、もっとおいしく楽しむなら、牛肉の質が決め手になります。
トライアルでは、すき焼きに最適な牛肉をはじめ、長ネギや焼き豆腐、しいたけなど、必要な食材がすべてお手頃価格でそろいます。
ぜひ、お近くのトライアル店舗に足を運んで、今年の冬はご家族で本格すき焼きを楽しんでみてください。

トライアルの肉が安くておいしい理由は?鮮度&安心安全へのこだわり