
おせちの盛り付けはいつものお皿で!見栄えの良い盛り方のコツ
新しい1年の始まりを祝う縁起物といえば、おせちです。とはいえ、忙しい年末に何品も料理を作ったり、ルールを考えながらお重に詰めたりするのは少し面倒ですよね。
そこでおすすめなのが、買ったおせちを自宅のお皿を使っておしゃれに盛り付ける方法です。
今回は、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、食卓が簡単に華やぐおせちのスタイリングを考案していただきました。
教えてくれたのはこの人!

清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
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目次
おせちにはどんな料理が含まれる?

おせちの基本は、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類の料理です。
それぞれどのような料理が当てはまるのか、具体的に見ていきましょう。
祝い肴、口取り
祝い肴は、関東では黒豆、数の子、田作りの3種類。関西では黒豆、数の子、たたきごぼうが一般的です。
黒豆は名前にかけて「まめに(丈夫に、元気で)働けるように」、数の子は卵が多くとれるニシン(二親)にちなんで「両親の健康」「子孫繁栄」など、それぞれに意味が込められています。
口取りは、懐石料理などで最初に出される料理のことで、書物に見立てて学問の成就を願う伊達巻、小判や金塊を思わせる栗きんとんなど甘めの味付けのものが中心です。
祝い肴はお正月のお屠蘇(とそ)が進むお酒の肴が中心。一方、口取りは伊達巻、栗きんとん、昆布巻など、お子さんが喜ぶような料理が多いですね。
家族みんなで楽しむおせちならではの組み合わせだと思います。

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焼き物
焼き物は、炭火などで焼いた料理のことを指し、縁起が良いとされる魚介類が使われます。
「めで鯛」の語呂合わせでおせちに欠かせない「タイ」、出世魚の「ブリ」、腰が曲がるまで長生きできるようにとの願いをこめて「エビ」などを入れることが多いでしょう。

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酢の物、煮物
酢の物は、紅白の水引をイメージした紅白なますがよく知られています。さっぱりとした味付けで、箸休めとしても重宝する一品ではないでしょうか。
また、たくさんの野菜をいっしょに煮る煮物(煮しめ)には、家族が末永く仲良くいられるようにとの願いが込められています。
最近では、和洋中、さまざまなジャンルのおせちが販売されるようになり、おせちは必ずしも自宅で作るものではなくなりました。
自宅で作る場合も、日本の伝統的な料理にこだわらず、家族が好きなメニューを取り入れて気楽に楽しむご家庭が増えています。煮豚やローストビーフなども人気ですよ。

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おせち料理の盛り付けにおすすめのお皿
おせち料理を詰めるお重は四段重が基本で、各段に盛り付ける料理が決められています。
しかし、「おせち料理の多様化が進むとともに、お重を使わないご家庭も増えてきました」と清水さん。
家族の人数が少なく、一部のおせち料理でお正月気分を味わいたい場合や、既存のルールにとらわれない多様な料理を楽しみたい場合には、お重をつかわない盛り付けのほうが、自由度が高くおすすめです。
今回は、一般的なご家庭にあるお皿やプレートを使って、おせちを盛り付けてみましょう。用意したお皿は次の4種類です。
大きさの違う丸皿
大きめの丸皿は数名分の料理を盛り付けるプレートとして使い、取り皿サイズの丸皿は数種類の料理を盛ってお盆やプレートに乗せて使います。
シンプルな形の丸皿なら、合わせる料理の種類を選びません。

長手皿、角皿
形が特徴的な長手皿は、洋風のスタイリングに最適。
焼き魚や前菜の盛り合わせなどに使うシンプルな長手皿は、乗せる料理次第で和風だけでなく洋風にもアレンジが可能です。

半月盆
円の一部がカットされた半月盆は、お正月やお祝い事に使われる定番の形。
直接乗せても、丸皿に乗せて並べてもお料理が映え、ぐっとお正月感が増します。

酒器類、小鉢、豆皿
和風の酒器やココット類、小鉢類は、汁気が多い物を盛り付けたいときに便利です。
また、全体がのっぺりとした印象になりそうなとき、高さを出してメリハリをつけるのにも活躍します。

黒豆や紅白なますなどの色合いが鮮やかな料理は、あえてガラス製の器に入れて中身を見せてもおもしろいですね。
豆皿は、同じ大きさの丸皿が2つ並んだときなどに、1枚加えると良いアクセントに。100円ショップなどでもバラエティに富んだかわいい豆皿が販売されているので、気軽に試せると思いますよ。
おせち料理の盛り付けアイディア5選
では、上記でご紹介したお皿を使って、実際におせち料理を盛り付けてみましょう。
今回は、家族2~3名で食べる場合を想定した大皿盛りを和風・洋風で2パターンと、1人分の盛り付けを3パターンご紹介します。
2~3名用:定番ワンプレートおせち

一番大きい丸皿を使った盛り付けです。
黒豆などを入れた高さのある器を中央に置き、これを起点として放射状にほかの料理を並べることでバランスがとれた仕上がりに。
小鉢や豆皿の色合いは、できるだけ重ならないようにしましょう。
お手ごろな豆皿を使ったら酒器には江戸切子を使うなど、身近なものとちょっと良いものを上手に組み合わせるとお正月らしい格調を保てます。
取り皿やお椀などに、上質な漆塗りの漆器を選んでも良いですね。
2~3名用:パーティー感のある洋風おせち

洋風の盛り付けには、波打つようなデザインが印象的で存在感のある長手皿を選びました。乗せる料理が同じでも、これだけで印象が大きく違います。
このお皿に豆皿などを乗せるとごちゃごちゃした印象になってしまうので、料理は直接盛ってシンプルに。
小皿や小鉢を使わず直接お皿に置く料理は、汁気のないものを選ぶと味の混ざる心配はありません。
ガラスの器を使って料理の色を際立たせると、全体が明るくなります。
カトラリーや酒器も洋風でそろえましょう。
1名用:長手皿や角皿を組み合わせておしゃれに

長手皿と角皿、3つに仕切られた長めのお皿の組み合わせです。
形にまとまりを出すことでおしゃれな印象になり、大きさを変えることによって華やかさも演出できます。
栗きんとんの下に笹の葉などを使って緑色をプラスすると、縁起物の金色が際立ちます。笹の葉がなければ、大葉などでも良いでしょう。
ほかにも、南天の葉やユズの皮の飾り切りといった添え物を工夫することで、お正月らしい雰囲気がぐっと増しますよ。
1名用:半月盆を使ってお正月らしいお祝い膳に

半月盆はそれだけでお正月らしいアイテムなので、シンプルに盛り付けるのがコツ。
黒塗りはおせちの色を引き立てる効果もあります。
ゆったりと空白を意識して盛り付けると、お祝い膳らしい余裕のある仕上がりに。伊達巻と紅白かまぼこを並べるなどして色の差をつけると単調になりません。
かまぼこにはちょっと手をかけて、紅白が交互に並ぶ市松かまぼこにするのがおすすめです。
1名用:小皿、豆皿、小鉢を組み合わせて華やかに

大きめの丸いプレートに、小皿や豆皿、小鉢に乗せたお料理を並べたスタイルです。
小分けに盛った器をいくつか合わせることで、プレートの中が華やかな雰囲気になります。
今回は中央以外同じお皿を使って統一感を出していますが、雰囲気の違うお皿を並べてみてもおもしろいかもしれません。
プレートは、お盆でもトレーでも問題ありません。シンプルなお盆でも、小皿の色合いを変えたり、おめでたい柄の和紙などを敷いたりすると華やぎます。
大きな丸皿を使った和風の盛り付けのときと同じく、真ん中は少し印象の違う器を使って、高さを出すと見栄えが良くなりますよ。
トライアルのおせちを、お家にあるお皿でおしゃれに盛り付けよう
お重に詰めた伝統的な和風おせちも良いですが、一人暮らしや少人数の世帯では食べきれないこともあります。
忙しい年末、おせちづくりに時間をかけられないという人も多いかもしれません。
今年は固定観念にとらわれず、もっと自由に、もっと楽しくおせちに挑戦してみませんか。
トライアルでは、おいしいおせち料理や、おせちに1品加えたいときに便利な煮豚などをお手ごろ価格で販売しています。
トライアルのおせち料理と自宅にあるお気に入りのお皿で、いつものお正月と雰囲気を変えるおせちアレンジを楽しみましょう。

「黒豆の煮方は難しい?」誰でも簡単、ふっくらツヤツヤ黒豆レシピ