私たち日本人にとってなじみのある調味料「酢」。近年では調味料としてだけでなく、飲料としても親しまれています。そんなお酢には、健康に役立つ“力”があるとご存じですか？

お酢を摂取することで、肥満気味の方の内臓脂肪の減少が期待できるという研究結果が報告されています。そんなお酢の力について、食酢メーカー・株式会社Mizkanで営業企画担当の大瀬俊介さんに教えてもらいました。

教えてくれたのはこの人！

肥満気味の方は必見！内臓脂肪の減少を助けるお酢の力

内臓脂肪とは、胃や腸など内臓の周りに蓄積される脂肪のことです。下腹部やお尻周りの皮下につく皮下脂肪と違い、体に蓄積されやすい特徴があります。

肥満気味とは、「体重（kg）÷（身長(m)×身長(m)）」で得られるBMIが25以上30以下の人を指します。肥満気味の方にとって内臓脂肪の蓄積を防ぐことはとても大切。その脂肪の減少や蓄積の予防に一役買うのがお酢です。

なぜお酢が肥満気味の方の内臓脂肪に効くの？

このグラフは、BMI25以上30以下の肥満気味の日本人（成人男女104人）が参加した試験結果を示しています。

参加者は2つのグループに分けられ、それぞれ食酢約15mlを含む飲料と、食酢を含まない飲料を、12週間（約3か月）にわたって毎日摂取しました。

その結果、食酢を含む飲料を摂取したグループの方だけ、腹部の内臓脂肪面積が減少していることが確認されました。

さらに上記の4つのグラフも、試験から得られたデータです。BMI、血中中性脂肪、体重、腹囲のいずれも、摂取を始めると試験開始前と比べて大きく減少し、12週間で摂取をやめると再び増加傾向にあることが分かります。また、食酢を含まない飲料を摂取した人とも、大きく差が出ています。

以上のことから、お酢を毎日大さじ1杯（約15ml）程度摂取し続ければ、健康への効果が期待できることが分かります。

データ出典：「Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」（Kondo et al., 2009）に基づき作成

お酢を知ろう！食酢の種類と特徴

お酢といってもたくさんの種類があり、料理に使いやすいものや、飲むのに適したものがあります。ここでは、代表的なお酢の種類と特徴をまとめました。

お酢を毎日とるには？無理なく続けられる方法をご紹介！

お酢の種類と特徴を押さえた上で、日常的に無理なく摂取し続けられる方法をご紹介します。

リンゴ酢やブドウ酢などの果実酢は、野菜ジュースやヨーグルトに混ぜるのがおすすめです。黒酢は炭酸水で割って飲むと、すっきりとした味わいが楽しめます。

米酢や穀物酢は、料理に使うのが適しています。例えば、味噌汁に加えると酸味で味が引き締まり、さっぱりとした風味になります。炒め物や煮物などの加熱料理にもよく合い、食材の旨味を引き立てながら、お酢の成分もしっかりとることができます。

お酢の主成分である酢酸は熱に強く、加熱しても成分が失われることはありません。そのため、温める前の味噌汁に穀物酢や米酢を加えてから加熱することで、味が引き締まります。また、殻付きの貝類と一緒に煮込むと、カルシウムの吸収率が高まる効果も期待できます。

お酢のパワーで毎日の健康維持を

お酢は自然由来の調味料で、体にやさしい調味料です。いつもの食事にプラスすることで風味が豊かになり、健康面での効果が期待できます。

日常的に取り入れやすいのも魅力のひとつ。ぜひ毎日の暮らしに取り入れて、健康にお役立てください！

出典
・酢の力　（株式会社ミツカンホームページ内）
https://www.mizkan.co.jp/health/sunochikara/
・内臓脂肪とは？肥満気味の方の内臓脂肪減少を助けるお酢の効果（株式会社ミツカンホームページ内　執筆者　多山 賢二）
https://www.mizkan.co.jp/health/sunochikara/reduce-visceral-fat/
・「Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」（Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 73（8）:1837-1843 2009）
・「健常な女性における食酢の食後血糖値上昇抑制効果」（日本臨床栄養学会雑誌 27：321-325 2006）