ニットは洗濯機?手洗い?正しい洗い方や干し方をプロが解説!
お気に入りのニットを洗濯したくても「縮んだらどうしよう」「型崩れしたら嫌だな」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
ニットは、正しい洗い方を知っていれば、自宅でもきれいにお手入れできます。
そこで今回は、ニットを自宅でお手入れする方法について、ハイクオリティな技術に定評があるクリーニングブランド「le Tact(ルタクト)」の永井良房(ながい よしふさ)さんに教えていただきました。
手洗いや洗濯機で洗う方法のほか、干し方、正しい保管方法などにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
教えてくれたのはこの人!

永井良房
クリーニングブランド「le Tact(ルタクト)」店主
多種多様なクリーニングに携わってきた職人。le Tact(ルタクト)では、繊細な素材や装飾の対応が可能なウェットクリーニング&レザークリーニングで今まで洗うのが難しいとされた素材の衣服を中心に取り扱っている。衣類クリーニング、革製品ケアのほか、クリーニングアドバイスも行う。
公式サイト
目次
ニットは自宅で洗える?洗濯前に確認するポイント
ニットは、すべてが自宅で洗えるとは限りません。
誤った洗い方をすると、縮みや型崩れの原因になることもあります。
まずは洗濯前に、洗濯表示と素材を確認して、自宅洗いが可能かどうかを見極めましょう。
ここでは、ニットを洗う前に必ず確認したい2つのポイントを紹介します。
洗濯表示を確認する

まず確認すべきは、衣類についている洗濯表示です。
ニットを家庭で洗えるかどうかは、衣類のタグに記載された表示で判断できます。
下図を参考に、洗濯機・手洗いの可否や温度制限を確認しましょう。
水洗い不可の表示がある場合は、無理に家庭で洗わずクリーニングに出すのが安心です。
■洗濯表示の見方

素材を確認する
ニットは、素材によって洗い方が大きく異なります。
ウールやカシミヤといった動物繊維は、熱や摩擦、水に弱く、縮みやすいのが特徴です。
これらは、手洗いでやさしく洗いましょう。
一方、綿やアクリル、ポリエステルなどの植物繊維や化学繊維は比較的扱いやすく、洗濯機で洗えるものもあります。
ただし、これらの素材でも編み目がゆるいデザインのニットは伸びやすいため、手洗いがおすすめです。
【やさしく汚れを落とす】ニットを手洗いする方法
デリケートなニットを傷めずに洗うには、手洗いが最も安心な方法です。
ここでは、ニットを手洗いする際の手順を紹介します。
1. 適した洗剤を選ぶ
使用する洗剤は「中性洗剤」または「おしゃれ着用洗剤」が最適です。
アルカリ性洗剤や漂白剤入りのものは、繊維を傷めたり、色落ちの原因になったりするため避けましょう。
おしゃれ着洗剤には摩擦を軽減するシリコン成分が含まれているため、ウールやカシミヤなどの動物繊維には特におすすめです。
綿100%のニットであれば、中性洗剤でも対応できます。
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2. ニットを裏返してたたむ
洗う前にニットを裏返し、長方形になるようにたたみましょう。
丸首部分の上から袖口が軽く出るようにすると、首回りや袖口など、汚れやすい箇所にも洗剤液が届きやすくなります。

3. 洗剤液を作り、やさしく押し洗いする
30℃以下のぬるま湯に、洗剤を既定の量だけ溶かして洗剤液を作り、たたんだニットを沈めます。


汚れが目立つ部分は、やわらかいブラシで軽く叩いておきましょう。
その後、「押す→浮かす」を5回程繰り返し、全体の汚れを落とします。

こすり洗いは毛羽立ちの原因になるため、避けてください。
押し洗いが終わったら、そのまま5分程洗剤液に浸けておきます。
4. すすぐ
次に、洗剤液をきれいな水に替えてすすぎます。
3回を目安に、水を替えながら「押す→浮かす」を繰り返して、やさしくすすぎましょう。

3回目には、規定量の半分程度の柔軟剤を入れると、ふんわり仕上がります。
柔軟剤は入れすぎると繊維が伸びやすくなるため、注意してくださいね。

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5. 脱水する
すすぎが終わったら、大判のバスタオルを広げ、その上にニットを置いてもう1枚のバスタオルでサンドし、軽く押さえて水分を移します。


この工程でしわが伸びて、きれいな仕上がりになります。
しっかり脱水したい場合は、ニットを洗濯ネットに入れて、洗濯機で30秒~1分だけ脱水しましょう。
その際は、ニットだけでなくバスタオルもいっしょに入れると洗濯機の回転が安定します。
【手軽にできる】ニットを洗濯機で洗う方法
ニットの中には洗濯機で洗えるものもありますが、必ず洗濯表示と素材を確認してから行いましょう。
洗濯機で洗う手順は、以下の通りです。
1. 下準備をする
襟や袖口など、汚れが気になる部分には、既定の量で溶かした洗剤液を付け、やさしくブラシで叩いておきます。
この作業により、洗濯時の汚れ落ちが良くなります。
2. 洗濯ネットに入れる
ニットを裏返して丸首部分の上から袖口が出るように折りたたみ、洗濯ネットに入れます。
洗濯ネットはできるだけジャストサイズのものを使い、ニットが中で動きすぎないようにしましょう。


3. 洗濯コースを選ぶ
ニットを洗濯ネットに入れたら準備完了です。
素材に合わせて「中性洗剤」または「おしゃれ着用洗剤」を使い、洗濯機で洗います。
洗濯コースは、「手洗いモード」「ドライコース」「おしゃれ着コース」など、弱水流のコースを選びましょう。
脱水は長くかけすぎず、1分以内に設定するのがポイントです。


洗濯の仕方、洗剤の選び方で洗い上がりが変わる!コツをプロが解説
型崩れ・縮みを防止するニットの干し方
洗濯後のニットは、水を含んで重くなりやすく、干し方によっては型崩れや伸びの原因になります。
「平干し」「ハンガー干し」それぞれの干し方について、正しい方法を紹介します。
平干し

平干しは、最もおすすめの方法です。
通気性の良い平干しネットやバスタオルの上にニットを寝かせ、自然乾燥させましょう。
重さによる伸びを防ぎ、型崩れを防止できます。
ハンガー干し

ハンガー干しは、ニットのたたみ方がポイントになります。
重みが一点に集中しないよう、以下の方法でニットをたたみながらハンガーにかけていきます。
ハンガー干しの方法
1. ニットを縦半分にたたむ。

2. ニットの脇にハンガーのフック部分が乗るように、ハンガーを置く

3. 袖をハンガーに合わせて折り返す。

4. 裾もハンガーに向かって折り返す。

ニットのハンガー干しで使うハンガーは、太めまたは滑り止め付きの楕円型ハンガーがおすすめ。
干してから半日程経ったら、裏返すことで乾きムラを防げます。

ニットをアイロンがけするときのポイント
ニットを洗ったあとしわが気になる場合は、アイロンがけも有効です。
ただし、洗濯表示を見て、アイロンが使えるかどうか必ず確認してください。
■洗濯表示のアイロンについての見方

ニットをアイロンがけするときは、ニットを裏返し、綿のハンカチをあて布として使います。
メッシュのあて布は熱がうまく伝わらず、ニットとは相性が悪いため避けましょう。

ニットの洗濯頻度と普段のお手入れ
ニットは、洗いすぎると傷みやすくなります。
洗濯頻度の目安や、普段のお手入れについて確認しておきましょう。
ニットの洗濯頻度の目安
ニットは着用する度に洗う必要はなく、汗をかいたり汚れがついたりしたときだけ洗えば十分です。
ただし、シーズンが終わるタイミングには、必ず洗濯してから収納しましょう。
ニットの普段のお手入れ
ニットを脱いだあとは、風通しのいい場所で陰干しして湿気を飛ばすのがポイントです。
また、毛玉が気になる場合は専用のブラシや毛玉取り器で優しくケアしましょう。

収納するときは、たたんで収納ケースに入れるのが◎。
ハンガーを使う場合は、太めまたは滑り止め付きの楕円型ハンガーを使い、ハンガー干しの要領でたたんでからかけるのがおすすめです。
正しい洗濯とお手入れで、ニットを長持ちさせよう

ニットは、素材や洗濯表示をきちんと確認し、正しい方法で洗えば自宅でも十分にケアが可能です。
手洗いを基本に、洗濯機を使う際も丁寧な下準備とコース選びで、縮みや型崩れを防げます。
今回ご紹介した手順を参考に、お気に入りのニットを来シーズンも気持ち良く着られるようにしましょう。
洗剤や柔軟剤選びは、種類豊富にそろえるトライアルがおすすめです。
毎日、お手頃価格でご用意しているため、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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